東芝、ICT事業で300人削減 収益改善へ合理化策加速

東芝本社が入るビル=東京都港区
東芝本社が入るビル=東京都港区【拡大】

 経営再建中の東芝は29日、ICT(情報通信技術)事業を手がける子会社で早期退職と配置転換を実施し、2018年3月末までに約300人の人員削減を行うと発表した。

 売却手続き中の半導体メモリー事業を除いた東芝の収益は低迷しており、収益体質の改善を図る。今後もさらなる合理化策に踏み切る構えだ。

 東芝は今年7月に東芝本体から分社した東芝デジタルソリューションズ(川崎市幸区)での早期退職の募集は28日に決定し、労働組合に提案した。

 早期退職は社員約4500人のうち、53歳以上で勤続10年以上の社員が対象となり、18年1月から募集する。また、グループ内外の会社への転籍も行い、合わせて300人を削減する。

 早期退職で約33億円の費用が発生するが、18年3月期連結業績見通しに折り込み済みだ。東芝は同期に合理化などに伴う構造改革費用600億円を計上している。

 東芝は不正会計問題発覚で財務が悪化し、15~16年に半導体やパソコン、家電などの部門で約3400人の希望退職を実施しており、今回はこれに続く人員削減になる。

 東芝は成長が見込める人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)を展開するICT事業を今後の注力事業に据えるが、17年4~9月期は営業赤字で、体質改善が急務となっていた。

 東芝は営業利益の約9割を稼ぐ半導体メモリー事業を売却した後、社会インフラを中核に成長を目指す方針を掲げており、稼ぐ力をどう高めるかが課題になっている。この1カ月でテレビ事業の売却や「サザエさん」の番組スポンサー降板などを矢継ぎ早に決定するなど、人員削減や不採算事業の売却などの構造改革を加速している。