【ハザードマップ】ネットカード/MKS 売り上げ不振克服できず債務整理

 ▼ネットカード ネットカードは11月10日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

 同社は1976年4月設立のオリエント信販を前身とし、消費者金融業を展開していた。2000年6月に投資ファンドのユニゾン・キャピタル・パートナーズ(現ユニゾンキャピタル)による経営権の取得後、営業拠点を集約して無店舗化を推進。インターネットを介した消費者金融業に特化し、05年3月期は売上高約192億3900万円を計上、当時はネット型消費者金融業者として最大規模だった。

 05年9月にはGMOインターネットがユニゾン・キャピタル・パートナーズから株式を取得して子会社化。その後、マネジメント・バイアウト(経営陣による買収)が実施されGMOグループから切り離された。

 一方で、貸金業法の改正によるグレーゾーン金利の撤廃以降は多額の過払金問題を抱えて経営が悪化、09年6月以降は新規貸し出しを停止していた。過払い利息の返還訴訟が相次ぐ中、債権者から破産を申し立てられ今回の措置となった。

 ▼MKS MKSは10月27日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。同社は天正年間(1500年代後半)に創業、業歴400年以上を数える老舗。水産練製品やわさび漬けなど、各種ギフト用加工食品を製造販売し、皇室献上賜品(塩辛、かまぼこ、梅干し)も取り扱っていた。百貨店や高級料亭などにも販売し、ピーク時の1992年3月期の売上高は約22億3400万円に上った。

 だが、その後は企業の経費削減に伴うギフト需要の減少や消費者嗜好(しこう)の変化などで販売が減少。2014年3月期の売上高は約11億1400万円に落ち込み、約2億7300万円の赤字となった。15年1月に横浜地裁小田原支部に民事再生法の適用を申請したが、常連客を中心とする応援など販売が回復、金融機関の支援を受けることになり同年3月に民事再生法の申請を取り下げた。昨年、会社分割でK.S.C(現・美濃屋吉兵衛商店)に事業を移管し、株主総会決議で解散していた。

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【会社概要】ネットカード

 ▽本社=東京都墨田区

 ▽設立=1997年10月

 ▽資本金=1億9500万円

 ▽負債額=594億8997万円

 (2009年3月期決算時点)

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【会社概要】MKS

 ▽本社=東京都渋谷区

 ▽設立=1948年1月

 ▽資本金=3550万円

 ▽負債額=約21億円

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 〈チェックポイント〉

 ネットカードはグレーゾーン金利が撤廃され、過払い金返還訴訟を相次いで受けた。同社に限らず、かつて隆盛を極めた消費者金融業者の多くがこれにより方針転換を迫られ、大手クラスの倒産も相次いだ。一方、多重債務者問題は昨今、銀行系カードローンへと舞台を移し顕在化しつつある点は見逃せない。

 MKS(旧:美濃屋吉兵衛商店)はギフト需要の低下や消費者の嗜好の変化に押され経営が悪化。旧会社を整理して新会社で再出発する。ただ、債務は整理しても低迷の根本原因だった売り上げ不振をどう克服するかは引き続き大きな課題。第2の創業ともいえる事業譲渡で、老舗の伝統と知名度の真価が問われる。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)

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