自動ブレーキを車検項目に 普及拡大、現状に即した制度検討へ

自動ブレーキ機能を使い、停車する車=大阪市
自動ブレーキ機能を使い、停車する車=大阪市【拡大】

 自動ブレーキなど自動運転技術の普及拡大を受け、国土交通省は3日、自動運転車の機能維持に対応する車検制度の検討に入った。従来のブレーキやハンドルなどの検査に加え、電子制御装置の機能確認などを車検の必要項目に盛り込む。既に自動ブレーキなどの新車搭載は進んでおり、現状に即した制度導入が必要と判断した。

 車検の点検項目は、道路運送車両法に基づく省令で定められている。自動運転技術が搭載されている車両には、センサーなど電子制御装置の異常を記録する故障診断装置が搭載されており、新たな車検の項目には診断装置のデータ解析などを含めるよう省令が改正される見通しだ。

 国連の専門家会議では現在、自動ブレーキに関する国際基準化の議論が進められている。国交省は基準策定が見込まれる数年後をめどに、車検制度についても詳細を詰める方針。

 ドライバーが運転に一切関与しない高度な自動運転車は開発途上の一方、自動ブレーキなどドライバーの安全運転をサポートする自動運転技術は急速に普及が進んでいる。

 2015年に新車販売された乗用車の45.4%にあたる約174万台に自動ブレーキが搭載されており、政府は20年までに搭載率を9割以上とする目標を掲げる。達成すれば20年段階で全乗用車の約3割に自動ブレーキが搭載される計算で、継続的な機能維持や誤作動防止などの安全性担保が課題となっている。