ソニー「香りのウォークマン」 “屋外で手軽に楽しむ”逸話再現に挑む

「AROMASTIC(アロマスティック)」を開発したソニーの藤田修二氏=東京都千代田区
「AROMASTIC(アロマスティック)」を開発したソニーの藤田修二氏=東京都千代田区【拡大】

  • ソニーの「AROMASTIC(アロマスティック)」=東京都千代田区

 好きな香りを持ち歩き、周りの人に迷惑を掛けることなく、いつでも楽しめたら-。ソニーが「香りのウォークマン」と異名を取る製品の普及を模索している。屋外でも手軽に音楽を聴けるようにしたウォークマンの逸話を再現し、消費者の生活様式を変えられるか開発者の挑戦が続く。

 この製品は「AROMASTIC(アロマスティック)」で昨年10月に発売した。大きめの口紅のような本体の先端を回して香りを5種類から選び、ボタンを押すと微風が出てほのかに香る。においが広がり周囲を不快にさせる心配はない。販路は自社のインターネット通販サイトが中心だったが、東急百貨店や文具店のデルフォニックス、雑貨店のロフトなどに広がった。家電量販店が一般的なソニー製品では異例の展開だ。

 開発した新規事業創出部の藤田修二氏は理学博士。細胞分析に使う微細技術を応用し瞬時に香りが切り替わり、混ざることがない独自の構造を実現した。香をたくときと違って火や電気も不要だ。

 販売実績は明らかにしていないが、デジタル家電とは畑違いの分野だけに試行錯誤している。希望小売価格は今年10月に9698円から4298円に見直し、香りを閉じ込めた交換用部品も持続期間を倍の約2カ月にして実質値下げした。11月14日には国内ブランドとの提携で部品の選択肢も増やした。

 愛用者は主に仕事中の気分転換に用い、接客業や医療関係など香水の使用を控えている人が目立つという。藤田氏は「禁煙や緩和ケアにも役立つのではないか」と、新たな需要の掘り起こしも目指している。