【株式ニューカマー】家賃保証に付加価値、差別化図る Casa・宮地正剛社長


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 以前は部屋を借りるときに、親族を主とした連帯保証人を立てていたが、最近では保証会社の利用が進んでいる。こうした需要を取り込んできた家賃債務保証のCasa(カーサ)が、10月31日、東証2部市場に新規上場した。核家族化、高齢化の進展で連帯保証人を頼みづらくなっている背景とともに、不動産仲介会社の業務をアウトソーシングする需要も高まっていることから保証会社の活用は増加傾向にある。宮地正剛社長は「付加価値の提供によって差別化を図る」考えだ。

 ◆借り主の生活目配り

 --保証業務の現状は

 「国内の民間借家は約1450万戸あるとされている。その中で保証会社がサービスを展開しているのは、管理会社が委託されている約950万戸だ。あとの500万戸弱は家主自身が管理している。ここは保証会社がほとんど取り込めていないが、高齢の家主から40~50代の子供世代への相続が進んでいる。相続人はまだ現役世代で業務のアウトソーシングへの要望は強く、今後伸ばしていきたい部分だ。保証会社各社は価格競争になっているが、当社は付加価値によって勝負する」

 --どのように差別化を図っているのか

 「2015年から『お客さま本意の対応の強化』を掲げて取り組んでいる。これまでは家賃の支払いが遅れている人の相談に応じることはあったが、具体的に踏み込むことはなかった。遅延する理由は仕事に関することや健康上の理由がほとんど。このため、一時的に収入が滞ってしまう。これらの人に対して仕事に関することであれば求職活動の手伝いをし、病気の場合は行政による助成制度の紹介をするなど、できる限り取り組んでいる。食事に困っている人に対しては、特定非営利活動法人(NPO法人)のフードバンクを通じて食糧支援も行う」

 ◆データをクラウド化

 --なぜ生活支援まで

 「同業でここまでやる会社は他にはないかもしれない。しかしホスピタリティーを高めることで、かつて親族が担っていた本来の意味での連帯保証人に近づけていく。そのことで同業との差別化を図るとともに、業界の地位も向上させたいという思いがあるからだ。賃借人から『ありがとう』の言葉や、直筆の礼状を受け取ることがあり、従業員のモチベーションアップに役立っている」

 --これからの事業戦略は

 「民法が改正され、20年頃までに連帯保証人に対して、保証の上限額設定が義務づけられる。このため引き受け手が減ると見込まれ、保証会社活用への追い風になるだろう。一方、2年後をめどに物件や入退去、支払い履歴などのビッグデータをクラウド化して、家主と入居者をマッチングするプラットフォームをつくる。民泊物件が増えていくことでIT化が加速するだろう」

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【プロフィル】宮地正剛

 みやじ・せいごう 国士舘大文卒。2004年リプラス入社。レントゴー保証社長などを経て、14年2月から現職。45歳。香川県出身。

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【会社概要】Casa

 ▽本社=東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル

 ▽創業=2008年10月

 ▽資本金=15億3200万円

 ▽従業員=319人(17年8月末時点)

 ▽売上高=83億1500万円(18年1月期予想)

 ▽事業内容=家賃債務保証