日銀総裁、低金利の悪影響「限定的」 現行策維持し物価2%実現

講演する日銀の黒田総裁=4日午後、東京都千代田区
講演する日銀の黒田総裁=4日午後、東京都千代田区【拡大】

 日銀の黒田東彦総裁は4日、現状の大規模な金融緩和策は「うまくいっている」と述べ、低金利が金融機関の経営に及ぼす悪影響は限定的との見方を示した。好調な世界経済の先行きに関しては、保護主義の広がりや北朝鮮情勢などの地政学リスクを懸念材料に挙げた。

 フランスの市場振興団体「パリ・ユーロプラス」が東京都内で開いた講演後の質問に答えた。

 大規模緩和による低金利で個人や企業はお金を借りやすくなった一方、利益が圧迫されている金融機関からは見直しを求める声が上がっている。

 黒田氏は昨年9月に金融政策の操作目標をお金の量から金利に転換したことで、現状の緩和策は「経済成長だけでなく金融の安定性にも対応できる」と強調した。直近の物価上昇率は0%台後半にとどまっているため、現行の金融緩和策を維持して物価2%目標を実現する考えを示した。

 講演ではITと融合した金融サービス「フィンテック」について「金融サービス全般の効率化や生産性の向上に貢献する」と説明した。フィンテックの発展には「金融機関が前向きの経営改革を行っていくことが強く求められる」と指摘した。