【高論卓説】銀行の機能は正常か もたつく株価、経営環境は前途多難 (1/2ページ)

 銀行株がもたついている。33ある東証業種別株価指数の「銀行」は先週末、195台で引けた。年初来の上昇率は1.56%と、2%に満たない。日経平均株価の年初来上昇率18%強を大きく下回る。株式相場全般は秋口から騰勢を強め、年初来高値、上場来高値を更新する銘柄が相次いだ。しかし、銀行株は一部を除くと、多くは年初来高値を更新できずにもたついたままだ。

 「銀行」指数を構成する86社の時価総額の合計は11月末現在で約45兆円。東証1部の時価総額661兆円余りに占める比率は6.8%だ。同比率は13年3月末で9.2%、2016年12月末で7.9%だった。それぞれ直後に異次元金融緩和と、マイナス金利政策が導入された。金利の低下が銀行経営を疲弊させ、株式市場での銀行株の存在感の低下に拍車をかけた跡がうかがえる。

 バブル絶頂期の1989年12月末、時価総額ランキング上位10社のうち、6社を銀行株が占めた。日本興業銀行(当時、以下同)、住友銀行、富士銀行、第一勧業銀行、三菱銀行、三和銀行の6行である。6行合計の時価総額は約57兆円で、東証1部時価総額の10%近くを占めた。ランキングを100位に広げると18行が名を連ね、合計の時価総額は95兆円になった。当時の「銀行」指数は1400台。銀行株がバブルの先頭に立っていた。

 最近の株価は銀行経営の前途多難を予見しているとも映る。三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガ銀行はそろって大規模なリストラに乗り出す。支店の統廃合と要員の大量削減を進める。異次元金融緩和の長期化で主力の預貸業務の利ざやが縮小し、経営環境が厳しさを増すと踏んでいるからだ。「銀行は構造不況業種になった」との自嘲が一部の経営陣からももれる。

現場からは「預金はもう要らない」の声も