【ベンチャー支援の現場から】ナインシグマ「リアルテック・ピッチ」

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 ■異業種10社と新事業創出後押し

 技術開発支援のナインシグマ(東京都千代田区)は、「第1回ナインシグマ・リアルテック・ピッチ」を開く。異業種の大手企業10社が興味のあるテーマに沿って参加し、ベンチャー企業のアイデアを活用して、大手とベンチャーが共に新規事業創出を目指す。

 来年1月26日まで、日本も含め世界中のスタートアップ(創業初期のベンチャー)企業からビジネスアイデアを募る。テーマは、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)の技術を活用してヘルスケアの課題解決を目指すものなど5項目。書類選考、インターネットや面談によるプレゼンテーション(ピッチ)選考を経て、来年3月までには大手企業が有望なベンチャーを選ぶ。4月から、大手とベンチャーが個別に面談して事業化についての議論を始める。

 今回の特徴は、複数の大手企業が世界を変えるようなテーマを軸にしてスタートアップ企業を探し、大手にとって効率的にビジネスにつなげようとしている点だ。従来の新規事業創出を目的としたピッチイベントでは、起業支援会社や大手企業がベンチャー企業が持つ技術などのシーズの事業化を支援するスタイルが一般的だった。

 具体的な募集テーマは、「AI技術/IoT技術×ヘルスケア」のほか「仮想現実(VR)・拡張現実(AR)×顧客とのつながりを深めるソリューション」「革新的材料(バイオミメティクス、生体適合材料など)」「エネルギー問題の解決へ向けた将来技術」「高齢社会におけるソリューション」。参加する大手企業は、味の素、コマツ、サントリー食品インターナショナル、積水化学工業、大日本住友製薬、戸田建設、日産自動車、日本特殊陶業、パナソニック、リコー。