東芝、「稼ぐ力」底上げ急務 海外ファンドからの巨額資金調達は「劇薬」… (2/2ページ)

経営再建で揺れる東芝本社が入るビル=東京都港区
経営再建で揺れる東芝本社が入るビル=東京都港区【拡大】

 現時点では新生東芝が収益面で存在感を増す物言う株主を納得させるのは難しい。2017年4~9月期の連結営業利益は2317億円と過去最高だったが、このうち9割を売却する半導体メモリー事業で稼いだ。売却後の18年3月期は売上高4兆円程度、営業利益で数百億円規模の会社になるとみられる。

 「早期に売上高営業利益率5%を目指す」と財務担当の平田政善専務は強調する。この1カ月余りで、赤字続きのテレビ事業からの撤退やICT(情報通信技術)子会社での人員削減などを矢継ぎ早に決定。18年3月期の構造改革費用を200億円増の600億円に積み増し、一層の合理化に踏み切る構えだ。

 強敵そろう海外市場

 だが、合理化だけでは成長ビジョンは見えない。新生東芝が中核とする社会インフラ事業は収益率が低く、てこ入れが課題だ。東芝はビル設備や水処理システムなどに「モノのインターネット(IoT)」を組み合わせて効率化や省電力といった付加価値をつけ、売り込みたい考え。また、海外売上高比率が3割弱と低いのもネックだ。海外市場の開拓が欠かせないものの、米ゼネラル・エレクトリック(GE)や日立製作所など強敵ぞろいで一筋縄ではいかない。

 東芝は現在策定中の18年度からの中期経営計画で、成長戦略を明確にする必要がある。甘い戦略だと、物言う株主が株価をつり上げるために主力事業売却や大幅な人員削減などを求めてくる可能性もある。(万福博之)