宇宙ベンチャー「ispace」 20年に独自の着陸船を月に

ispaceが開発する月着陸船のイメージ(同社提供)
ispaceが開発する月着陸船のイメージ(同社提供)【拡大】

 民間初の月面探査を競う国際コンテストの参加チーム「HAKUTO(ハクト)」を運営する宇宙ベンチャー「ispace」(東京都港区)は13日、独自に月面着陸船を開発し、2020年に月に軟着陸させるとの新たな計画を発表した。着陸船で無人探査車(ローバー)を月面に送り込み、水など資源の埋蔵量を調べる。

 着陸船は高さ1.5~2メートル程度で、30キロの荷物を積める。2つ作製し、1つ目は19年末に月の周りを回る軌道に投入して月面を観測。2つ目は20年末にも探査車を載せて軟着陸させる。打ち上げるロケットは未定。

 開発や打ち上げには、官民ファンドの産業革新機構や日本政策投資銀行などが出資する約101億円を充てる。

 ispaceの袴田武史CEO(最高経営責任者は)は同日、東京都内での記者会見で、「高頻度で安定的な輸送システムをつくりたい」と語った。

 月には水が数十億トン埋蔵されているとされる。この水資源が活用できれば、将来、人類が月面で生活するための重要な資源となる。改質して水素を取り出せば、ロケットの燃料にもなり、火星などさらに地球から遠い惑星への有人旅行の可能性が広がる。