MRJ、初キャンセルの公算 米イースタンの40機分 三菱重工社長が言及

インタビューに応じる三菱重工の宮永俊一社長=15日、東京都港区
インタビューに応じる三菱重工の宮永俊一社長=15日、東京都港区【拡大】

 三菱重工業の宮永俊一社長は15日、フジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じ、子会社の三菱航空機が開発中のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」に関し、初めて受注がキャンセルされる公算が大きいと明らかにした。米イースタン航空が発注した40機(オプション含む)について、「恐らくなくなるだろう」と述べた。MRJはオプションを含め447機を受注済みだが、今後の営業活動にマイナスとなる可能性もある。

 イースタン航空は、6月に別の米航空会社に買収されることが明らかになって以来、注文をキャンセルする可能性が高いと指摘されてきた。宮永社長は「買収されたことで(機材戦略を見直すなら)そうしたこともありうる」と話す一方、「MRJ全体の計画に大きな影響はない」と述べ、他のキャンセルは否定した。

 一方、宮永社長は現在5機ある試験機を2機程度増やす方針も明らかにした。試験機追加の理由を「電気配線の位置を変えるなどしたことに伴う最終テスト、確認に使う」と説明。既に製造を始めており、来年中の飛行開始を予定しているという。追加投入で、安全性を認証する型式証明の取得を急ぐ。

 MRJは、今年1月に5度目となる初号機の納入延期を決め、現在は配線の見直しを行っている。見直しは秋までに終える予定だったが、来年にずれ込む見通し。ただ、宮永社長は2020年半ばとしている初号機の納期について「現時点の進み具合を見れば守れるだろう」と語った。