“ただ不便”な超大型書店はもう無理なのか ジュンク堂創業者が見据える活路 (5/6ページ)

 東京以外では「下げ止まり」の傾向

 --大型店がネット通販の「倉庫」のような役割を果たせば、売り上げの減少は止められるということでしょうか。

 【工藤】東京の巨艦店舗以外は下げ止まってきています。なかには伸びている店舗もあります。ただ、競争相手はアマゾンだけではない。もっと大きな問題はネットでいろいろなサービスが増えているため、本を読まなくなる人が増えているということです。

 電車に乗って観察していると、みんなスマホでゲームをしています。結局、紙の本を読む時間が減っている。この変化には、うちだけでは抵抗できません。とくに巨艦店舗というのは、地域の売上を独占しているような部分があるので、市場全体の数字が下がると同じように影響を受けてしまいます。読書時間が5%減れば、うちの売り上げも5%減ってしまう。これだけはうちの力ではどうにもならない。業界全体で本を読む人を増やしていかなければいけません。

 コンビニや地方の郵便局を書店に

 --「丸善ジュンク堂」のような大型チェーンであれば、アマゾンなどのネット書店に対抗する方法がありますが、地元密着の小規模書店では廃業するケースが相次いでいます。

「問題は雑誌ですね」