抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤「ソリリス(R)」の全身型重症筋無力症の適応追加に関する承認を取得

アレクシオンファーマ合同会社(本社:東京都渋谷区)は、「ソリリス(R)点滴静注300mg」〔一般名:エクリズマブ(遺伝子組換え)、以下 ソリリス〕について、全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)に対する適応追加の承認を、12月25日付で取得しました。

ソリリスは、これらの患者さんの治療薬として、日本で初めて承認された唯一の補体阻害剤です。今回の承認は、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験である第III相REGAIN試験(ECU-MG-301)から得られた包括的な臨床データに基づいて行われました。

第III相REGAIN試験および、それに続く長期継続投与試験において、過去に免疫抑制剤による治療の効果が認められず、見づらい、歩きづらい、話しづらい、飲み込みづらい、呼吸しづらいといった深刻な症状に苦しみ続けている抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の全身型重症筋無力症(gMG)患者さんに対するソリリスの治療ベネフィットが示されました(1,2,3)。これらの患者さんではgMGの増悪やMGクリーゼが起こるリスクが高く、それらが起これば入院や集中治療が必要となり、生命が脅かされる恐れもあります(4,5)。

アレクシオンファーマ合同会社 社長の伊藤 嘉規は次のように述べています。
「このたびの承認により、重症筋無力症に対する既存の治療にもかかわらず、いまだに深刻な症状に苦しみ続けている全身型重症筋無力症の患者さんとそのご家族に対して、新たな治療薬をお届けできることを嬉しく思います。当社は、補体阻害薬の領域においてこれまで培ってきた経験と専門知識を基に、徹底した適正使用を推進するための情報提供活動に努めてまいります」

抗AChR抗体陽性のgMG患者さんにおける症状および生命を脅かす恐れのある合併症の発症には、免疫システムの一部である補体系の慢性的で制御不能な活性化が大きく関与しています(6,7,8)。ソリリスは補体カスケードの終末部を特異的かつ効果的に阻害することで、疾患の根本的な原因に対処します。

国際医療福祉大学 医学部 神経内科学主任教授の村井 弘之先生は次のように述べています。
「既存の治療法では症状の管理が困難、または忍容性がない抗アセチルコリン受容体抗体陽性の全身型重症筋無力症の患者さんに対して、患者さんやご家族の計り知れない苦痛や負担を軽減しうる新たな治療選択肢がもたらされることは、非常に喜ばしいことです。患者さんの症状、日常生活動作、そして生活の質の改善に対するソリリスの有効性が、厚生労働省に認められたことを嬉しく思います」

一般社団法人 全国筋無力症友の会 代表理事の桜井 美智代氏は次のように述べています。
「今回の承認は、これまで治療を受けてきたにもかかわらず、なかなか治療効果が得られず、困難な日常生活を余儀なくされている全身型の重症筋無力症患者にとって朗報といえます。深刻な症状を抱え、辛い闘病生活を送っている仲間たちに、今回の承認は新たな選択肢と希望をもたらしてくれるものと期待しています。」

ソリリスは、欧州連合(EU)において抗AChR抗体陽性の成人の難治性gMG患者さんに対する治療薬として、米国において抗AChR抗体陽性の成人のgMG患者さんに対する治療薬として承認を受けています。

■全身型重症筋無力症について
重症筋無力症は慢性進行性の自己免疫性神経筋疾患で、年齢を問わず発症の可能性がありますが、40歳以前の女性と60歳以降の男性に最も多く発症します(1,9,10,11)。この疾患は一般的に眼球および眼瞼の動きをコントロールする眼筋の筋力低下から始まり、多くの場合重症化して頭部、頸部、体幹、四肢および呼吸筋の筋力低下など、gMGとして知られる全身型へと進行します(11)。

抗AChR抗体陽性のMG患者さんでは、神経筋接合部(NMJ)の筋細胞上に存在するAChRに対する抗体が免疫系により産生されます(6,7,8)。AChRは筋細胞に神経からの刺激を伝達する受容体で、抗AChR抗体がAChRに結合することで補体カスケードが活性化され、NMJの筋膜の限局的な炎症と破壊をもたらします。その結果、神経筋伝達障害が引き起こされ筋肉が正常に機能しなくなります(1,2)。

抗AChR抗体陽性のgMG患者さんの中には、MGの複数の治療でも効果が認められない、または副作用などから治療効果が得られないため、全身の著しい筋力低下が継続し、機能を制限するような深刻な症状に苦しみ続けている患者さんがいます(12,13,14)。これらのgMG患者さんは不明瞭な会話、息苦しさ、嚥下障害、複視や霧視、日常生活に支障を来すほどの疲労感、身動きに介助を要する状態、息切れ、そして呼吸不全を呈する可能性があります(1,2,3)。合併症、増悪、筋無力症クリーゼが生じた場合、長期間の入院や集中治療室での治療が必要となり、生命が脅かされる恐れもあります(4,5)。

MGの既存治療にもかかわらず、深刻な症状と合併症に苦しみ続けている抗AChR抗体陽性のgMG患者さんは、MG患者さん全体の約5~10%を占めています(12,15,16,17)。

■ソリリス(R)(エクリズマブ)について
ソリリス(R)は、免疫システムの一部である補体カスケードの終末部においてC5タンパク質を阻害することで作用する、ファースト・イン・クラスの補体阻害薬です。補体カスケードの制御不能な活性化は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)および抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の重症筋無力症(MG)のような重症な超希少疾患ならびに希少疾患に関与しています。

ソリリスは米国、EU、日本およびその他の国々においてPNHおよびaHUS患者さんの最初で唯一の治療薬として承認されています。またEUでは抗AChR抗体陽性の成人の難治性gMG患者さんの最初で唯一の治療薬として、米国では抗AChR抗体陽性の成人のgMG患者さんの治療薬として承認されています。ソリリスは、志賀毒素産生大腸菌由来溶血性尿毒症症候群(STEC-HUS)の患者さんの治療は適応としていません。

ソリリスは、米国、EU、日本およびその他の国々においてPNHの治療薬として、また米国、EUおよびその他の国々ではaHUSの治療薬として希少疾病用医薬品指定(ODD)を取得しています。さらに、日本では難治性gMGの治療薬として、米国およびEUではMGの治療薬としてODDを取得しています。

補体阻害における画期的な医療革新に対し、アレクシオンとソリリスは米ガリアン賞(2008年度ベストバイオテクノロジー医薬品)を受賞したほか、仏ガリアン賞(2009年度希少疾患用医薬品部門)を受賞するなど、製薬業界最高の栄誉を受けました。

■アレクシオンファーマ合同会社について
アレクシオンファーマ合同会社は、アレクシオン・ファーマシューティカルズ(米国コネチカット州ニューヘイブン)の日本法人です。アレクシオン・ファーマシューティカルズは、生活を変えるような革新的な治療薬を提供することで、希少疾患の患者さんとご家族に貢献することに注力するグローバルなバイオ製薬企業です。アレクシオンは、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)および抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の全身型重症筋無力症(gMG)の患者さんに対する治療薬として初めてかつ唯一承認されている補体阻害薬を開発し、製造販売しています。
また、アレクシオンは、低ホスファターゼ症(HPP)とライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)といった生命を脅かす超希少疾患の患者さんに対する2つの非常に革新的な酵素補充療法を有しています。アレクシオンは、20年以上にわたる補体領域のリーダとして、補体カスケードにおける新しい分子やターゲットの研究に重点的に取り組んでおり、血液、腎臓、神経、および代謝性疾患といったコアとなる治療領域の開発にも重点をおいています。本プレスリリースとアレクシオンファーマ合同会社に関する詳細については、 http://www.alexionpharma.jp をご覧ください。

■参考文献:
1. Howard JF, Barohn RJ, Cutter GR, et al. A randomized, double-blind, placebo-controlled phase II study of eculizumab in patients with refractory generalized myasthenia gravis. Muscle Nerve. 2013;48(1):76-84.
2. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. Myasthenia Gravis Fact Sheet. Publication date May 2017. http://www.ninds.nih.gov/disorders/myasthenia_gravis/detail_myasthenia_gravis.htm. Accessed October 12, 2017
3. Sathasivam S. Diagnosis and management of myasthenia gravis. Progress in Neurology and Psychiatry. January/February 2014.
4. Souayah N, Nasar A, Suri MF, et al. Trends in Outcomes and Hospitalization Charges among Mechanically Ventilated Patients with Myasthenia Gravis in the United States. Int J Biomed Sci. 2009;5(3):209-214.
5. Engel-Nitz N, et al. Clinical Burden of Refractory Generalized Myasthenia Gravis in the United States. Poster 146; ICNMD 2016.
6. Conti-Fine, et al. Myasthenia gravis: past, present, and future. J Clin Invest. 2006;116:2843-2354.
7. Tuzun E, Huda R, Christadoss P. Complement and cytokine based therapeutic strategies in myasthenia gravis. J Autoimmun. 2011;37(2):136-143.
8. Meriggioli MN, Sanders DB. Muscle autoantibodies in myasthenia gravis: beyond diagnosis? Expert Rev. Clin. Immunol. 2012;8(5):427-428.
9. Huda R, Tuzun E, Christadoss P. Targeting complement system to treat myasthenia gravis. Rev. Neurosci. 2014; 25(4): 575-583.
10. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. Myasthenia Gravis Fact Sheet. Publication date May 2017. http://www.ninds.nih.gov/disorders/myasthenia_gravis/detail_myasthenia_gravis.htm. Accessed October 12, 2017
11. Meriggioli MN, Sanders DB. Autoimmune myasthenia gravis: emerging clinical and biological heterogeneity. Lancet Neurol. 2009-8(5): 475-490.
12. Silvestri N, Wolfe G. Treatment-refractory myasthenia gravis. J. Clin Neuromuscul Dis. 2014;15(4):167-178.
13. Howard J. Targeting the Complement System in Refractory Myasthenia Gravis. Supplement to Neurology Reviews. February 2016.
14. Sanders DB, Wolfe, GI, Benatar M, et al. International consensus guidance for management of myasthenia gravis: Executive summary. Neurology. 2016;87(4):419-25.
15. Suh J., Goldstein JM, Nowak RJ. Clinical Characteristics of Refractory Myasthenia Gravis Patients. Yale J Biol Med. 2013;86(2):255-260.
16. Howard J. Myasthenia Gravis - A summary. Myasthenia Gravis Foundation of America. http://www.myasthenia.org/HealthProfessionals/ClinicalOverviewofMG.aspx. Accessed October 12, 2017
17. Grob D, Brunner N, Namba T, Pagala M. Lifetime course of myasthenia gravis. Muscle Nerve. 2008;37(2):141-9.

■参考資料
「ソリリス(R)」の製品概要
<製品名>
「ソリリス(R)点滴静注300mg」

<一般名>
エクリズマブ(遺伝子組換え)【Eculizumab (Genetical Recombination)】

<効能・効果*(下線部は今回追加承認された効能・効果)>
発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制
非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制
全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)

<用法・用量*(今回追加承認された用法・用量のみ記載)>
全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)
通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回900mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回1,200mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。

<承認取得日>
2017年12月25日

<製造販売>
アレクシオンファーマ合同会社

*効能・効果に関連する使用上の注意並びに用法・用量に関連する使用上の注意は、添付文書をご覧下さい。