商工中金「3~5年で民営化」もいばらの道 いまだ不誠実な営業 経産省内に慎重論も (2/3ページ)

抜本改革が求められている商工中金=東京都中央区
抜本改革が求められている商工中金=東京都中央区【拡大】

 「いまだに『組織形態が変わったら金利が上がるので、今のうちに借り換えをしてください』と営業している。最近の話ですよ。あり得ない」。27日の検討会で多胡秀人委員(地域の魅力研究所代表理事)はそう声を荒らげると、商工中金の企業文化を根本から変える必要性を強調した。100営業店のうち97店で不正が行われていた商工中金だが、問題発覚後も不誠実な営業が行われている現状に、他の委員からも驚きの声が上がった。

 トップ人事が焦点

 問題はこうした体質をどう変えるかだ。検討会は監視強化の方針を示しているが、最大のポイントはトップ人事だ。元経済産業省事務次官の安達健祐社長は辞任し、後任は民間から選ばれる予定だが、委員からは「ビジネスモデルの転換にはかなり強力な経営者で、いろいろな能力がないと大変だ」との声が上がる。

 ただ、高度な経営スキルに加え、高いマネジメント能力、改革を断行する実行力などを備えた有能な経営者を見つけるのは簡単ではない。商工中金を監視する第三者委のメンバーにも同様に高い能力が求められ、体裁を整えただけでは再び不正に手を染めかねない。

 完全民営化には法的な課題も残る。商工中金法では、完全民営化を目指すとしつつも、危機対応業務を実施するために政府が商工中金の株式を当分の間保有しなければならないとしている。政府以外は中小企業などの協同組合とその傘下の組合員しか株主になれないという条文もあり、政府が保有する約46%の株式を円滑に売却できるかは不透明だ。民営化に移行する期間を規定する必要も出てくる。

完全民営化には経産省内にも慎重論が根強い