【ハザードマップ】トキワ印刷/RRHH(旧リーガロイヤルホテル広島)

 ■ペーパーレス化・市況低迷に抗えず

 ▼トキワ印刷 トキワ印刷とグループ企業4社は12月22日、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。東北地区での会社更生法による倒産は2012年2月の秋田エルピーダメモリ(現パワーテックテクノロジー秋田)以来、5年10カ月ぶり。

 トキワ印刷は1914年に創業。40年4月に逓信省の指定工場となり郵便はがきの製造を開始した。はがき印刷を主体に、一般印刷物の印刷・製造請負を手掛け、ピークとなる2009年3月期には売上高約48億円を計上した。しかし、その後はペーパーレス化など市況の低迷などから減収基調で推移し、17年3月期の売上高は約33億2000万円に低下。多額の金融債務も重荷となり、余裕の少ない資金運営が続いていた。

 18年3月期に入っても業況は改善せず、債務超過への転落が明らかとなったことで、今後の資金繰りに支障をきたす状況を避けるため今回の措置となった。同時に会社更生法の適用を申請したのはグループの後藤商事、後藤本社、ピーアイシー、ユートレーディングの4社。

 ▼RRHH RRHH(旧リーガロイヤルホテル広島)は12月5日に広島地裁から特別清算開始決定を受けた。

 RRHHは、広島市内中心部に客室490室、収容人数約900人の中四国地区最大級の都市型ホテルを経営。ピーク時の1999年3月期には売上高約113億9600万円を計上した。しかし、多額の初期投資やその後の設備投資に対する資金負担が大きく、2014年3月末時点で約91億7300万円の債務超過に陥っていた。

 15年3月期には減資して累積赤字の解消に充てるなど財務体質の改善を図った。だが、17年3月末時点で債務超過が解消できない状況にあったことなどから、今年9月1日付で会社分割により別途設立されたリーガロイヤルホテル広島(広島市中区)に事業を承継し、現商号へ変更。9月30日に株主総会の決議で解散していた。

 リーガロイヤルホテル広島は新会社のもとでこれまで通り営業している。

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【会社概要】トキワ印刷

 ▽本社=福島県須賀川市

 ▽設立=1947年6月

 ▽資本金=4億7820万円

 ▽負債額=約119億円(グループ会社4社を含む合計)

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【会社概要】RRHH(旧リーガロイヤルホテル広島)

 ▽本社=広島市中区

 ▽設立=1991年9月

 ▽資本金=1億円

 ▽負債額=約89億5100万円

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 〈チェックポイント〉

 トキワ印刷は郵便はがきの製造で知られていた。郵便はがきは証券としての性格上、高度な印刷技術を要し、それを満たすための設備投資が必要だった。紙媒体の需要減が続くなか、借入金は年商を超える水準にまで達していた。同社最大の特色が、逆に大きな負担となってのしかかる皮肉な結果となった。

 RRHHは、ウエディングや国際会議も開催できる中四国地区トップクラスの高級ホテルだったが、初期投資に見合う収益を確保できなかった。集客と稼働率は装置産業の最たるホテル業では生命線。都心部ではホテルの開業が相次ぐが、バブル状態にも映る建設ラッシュの行く末を案じる声は少なくない。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)