EV開発、業界手探り 今後5年100車種超投入もガソリン車脅威 (2/2ページ)

2016年1月、米ラスベガスで行われた家電見本市で、米ゼネラル・モーターズ(GM)の電気自動車(EV)「シボレー・ボルトEV」を発表するバーラ最高経営責任者(ブルームバーグ)
2016年1月、米ラスベガスで行われた家電見本市で、米ゼネラル・モーターズ(GM)の電気自動車(EV)「シボレー・ボルトEV」を発表するバーラ最高経営責任者(ブルームバーグ)【拡大】

 野心的な目標を掲げる自動車メーカーを突き動かしているのは混乱と期待だ。EV市場の牽引(けんいん)役であるテスラやGMの株価は今年に入り高騰。フォードはテスラを生産台数や収益などで上回っているが、市場はテスラをより高く評価する。同社の株価は17年に約6割上昇し、フォードの約5%に水をあけた。EVの電池にかかるコストの減少も追い風だ。

 需要の先行きが読めない中でのEV開発競争は、自動車部品メーカーを難しい立場に追いやっている。自動車各社の動きに対応するためには、EV向け部品の開発資金や工場建設が必要となるからだ。

 例えば自動車部品北米最大手、カナダのマグナ・インターナショナルは、25年に世界の自動車販売におけるEVのシェアが3~6%にとどまるとみている。EV部品の量産体制を整えるべきか、熱心な議論が交わされているという。

 規制強化後押し?

 一方、印自動車大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラの北米部門を率いるリック・ハース氏は、EVに楽観的な立場を取る。中国をはじめとする各国の規制強化がEVシフトを後押しすると予測しているからだ。「25年前と比べて、変化のスピードは10倍速くなっている。EVの人気に火がつけば、瞬時に業界全体がひっくり返る。勝者と敗者が生まれ、破綻する企業も出るだろう」と指摘する。

 たしかに、数多くの車種がシェアを奪いあう現状は異様に映る。だが、関係者の間では「EVの価格がガソリン車と同水準にまで下がれば、消費者のEVシフトが加速する」との見方もある。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)はその時期を遅くても29年と予測。自動車各社はその波に乗り遅れまいとしている。(ブルームバーグ Keith Naughton)