ノルマ優先、現場疲弊
神戸製鋼グループは10月、アルミニウムと銅製品のデータを改竄(かいざん)して出荷していたと発表した。対象は鉄粉や特殊鋼にも拡大した。納入先には米航空機大手ボーイングなどが含まれ、米司法省が調査に乗り出した。
同様の問題は、三菱マテリアルや東レグループでも見つかった。いずれも顧客の了解を得て仕様を満たさない製品でも引き取ってもらう「特別採用」と呼ばれる商習慣を悪用し、無断で納入していた。ノルマ優先の経営による現場の疲弊が背景にあるとみられる。
頻発する品質問題に、海外メディアは「世界がうらやむ『日本株式会社』が揺れている」などと大きく報じた。