【老舗あり】愛知県津島市の堀田新五郎商店 和太鼓伝統守り900年 無料貸し出しで普及に尽力 (2/3ページ)

技と心意気が生み出す和太鼓が並ぶ店内=愛知県津島市の堀田新五郎商店
技と心意気が生み出す和太鼓が並ぶ店内=愛知県津島市の堀田新五郎商店【拡大】

  • 太鼓の胴体部分をイメージさせる「堀田新五郎商店」の外観

 河川の上流から上質な木材が運ばれ太鼓の材料が入手しやすく、伊吹山(1377メートル)から濃尾平野に流れ込む季節風・伊吹おろしが木材の乾燥に適したことから、太鼓作りの地理的条件も整っていた。

 堀田さんによると、創業について正式な文献は残っていないが、先々代の時代に岐阜県可児市のある神社から太鼓の修理依頼を受けて胴を開くと、同店の屋号があった。「永長元年」(1096年)と当時の制作年号と所在地が明記されており、平安時代から続く歴史が判明した。

 要望を忠実再現

 店の歴史を振り返ると存続の危機も幾度かあった。昭和20年の名古屋大空襲の際、津島市は難を逃れたものの、34年の伊勢湾台風ではすべての木材が流され、約3カ月も潮水が引かなかった。

 それでも「神社に救われて神社で使うものを作ってきた。神を放ってはおけない」と、先々代は店を再興したという。

 伝統を引き継ぎ、当代の堀田さんが最も大切にしているのが、注文者の思いを忠実に再現する太鼓作り。