宇宙ベンチャー飛躍の年に 地球観測や人工流れ星…打ち上げ続々 (1/3ページ)

インターステラテクノロジズのロケット「MOMO」初号機の打ち上げ。目標高度には達しなかった=2017年7月30日、北海道大樹町(同社提供)
インターステラテクノロジズのロケット「MOMO」初号機の打ち上げ。目標高度には達しなかった=2017年7月30日、北海道大樹町(同社提供)【拡大】

  • 宇宙ベンチャーのispaceが開発した月着陸船のイメージ(同社提供)
  • 人工流れ星を発生させる衛星のイメージ(ALE提供)

 ■30年代前半までに市場規模2.4兆円

 米財団主催の月面探査レースに参加するチーム「HAKUTO(ハクト)」の無人探査機が、近くインドから打ち上げられるなど、2018年は日本の宇宙ベンチャーにとって大きな飛躍の年になりそうだ。アクセルスペース(東京都中央区)は、地球観測用超小型衛星「GRUS(グルース)」を打ち上げるほか、世界初の人工流れ星開発を目指すALE(エール、同港区)も打ち上げの最終準備を進めている。多くのベンチャーが、宇宙を利用するビジネスに近づいている。

 アクセルスペースの超小型衛星は、大きさが60×60×80センチで、重さは約80キロ。18年に最初の3基を打ち上げ、次々と衛星を宇宙に送り込む。最終的には、50基を使って地球を観測する。

 衛星には最新のセンサーを使った望遠鏡を搭載しており、幅50キロ以上に及ぶ範囲で地表を撮影、画像提供サービスを目指している。中村友哉社長は「土地利用の調査や被災状況の監視などがより効率的にできるようになる」と期待する。

 一方、ALEの人工流れ星は、衛星から流れ星のもととなる物質を宇宙空間に放出。その物質が大気圏に突入することにより、地上では直径200キロの範囲で流れ星が見える仕組み。計算上は、打ち上げ花火の約10倍広い範囲で流れ星を見ることができる。

 東北大学や首都大学東京、神奈川工科大学、日本大学と共同で、流れ星になる物質を放出する装置や、人工衛星の開発を進めている。

 19年に広島県の瀬戸内海沿岸で観測イベントを開く計画。岡島礼奈最高経営責任者(CEO)は「多くの人が楽しんで願い事ができるような数の星を降らせたい」と目を輝かせる。

ベンチャー企業の事業には、リスクが付きもの