【2018 成長への展望】ANAHD社長・片野坂真哉さん(62)新中計策定で事業の選択と集中急ぐ (1/2ページ)


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 --昨年は好業績だったが、今年の抱負は

 「国内線、国際線ともに伸びた。羽田や成田空港の発着枠の増加が一段落して、2017年度と18年度を安全と品質向上の2年間に充てた。定時運航に全力を挙げるほか、品質面では国内線のワイファイ(公衆無線LAN)設備を増やすほか、シートにテレビモニターがついた機材を投入したい」

 --新たな中期経営計画も発表する

 「ポスト東京五輪を見据え、22年までの5年計画にする。大きな柱が3つ。1つは全日本空輸(ANA)と格安航空会社(LCC)の事業比率の最適化を図る。計画期間中に中距離版LCCを実現したい。2つ目は関連事業の選択と集中。3つ目はANA版のソサエティー5.0。人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)を生かし、商品を魅力的にする。コールセンターが応答しやすくなったり、空港で自動翻訳技術を導入したりすることも必要」

 --航空業界を取り巻く経営環境をどうみる

 「米国経済や欧州経済、アジア経済が好調という追い風で航空需要が堅調。後は突然起こるリーマン・ショックやテロのような事態に常に備える。利益率も上がってきて財務体質も良くなった。傘下のLCC2社はともに国際線だけでなく国内線でも存在感を出していて、地方路線も釧路や奄美などを開拓している。競合の日本航空は積極的に投資をしてきているのでわれわれも負けないようにしたい」

顧客の嗜好に変化は?