【2018 成長への展望】三菱電機社長・柵山正樹さん(65) (2/2ページ)


【拡大】

 --FA機器や人工衛星など8つの事業を成長の牽引(けんいん)として据えるが、9個目、10個目の創出が課題だ

 「ビルの空調や照明、昇降機、管理システムなどを一括で納めるZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)は次の成長を引っ張る主役になる。昨年11月に白鷺電気工業から受注した事例では70%の省エネを実現した。製品単品ではなく組み合わせで技術シナジー(相乗効果)を出し、新価値を提案できる。受注件数は1桁だが、18年度には数十件の受注が獲得できそうだ。準天頂衛星など車外のインフラからの情報を活用した自動運転技術がうまく立ち上がれば、成長牽引事業になる」

 --IoT(モノのインターネット)技術を活用した工場での生産効率向上にも注力している

 「個々の機器(エッジ)側で処理を行う技術が強みだ。まず、われわれの全事業所に展開して成果を上げ、顧客にも提案をしていきたい」

 --収益性の低い重電システムのてこ入れは

 「発電機の注文は減っているが、再生可能エネルギー導入の際に電圧などを安定させる系統安定化事業は非常に伸びており、新しい方向にシフトしていく」

【プロフィル】柵山正樹

 さくやま・まさき 東大院工学系研究科修士課程修了、博士課程中退。1977年三菱電機。専務執行役、副社長などを経て、2014年から現職。兵庫県出身。