【2018 成長への展望】日本ゼオン社長・田中公章さん(64) (1/2ページ)


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 ■必要な設備投資はタイミングをみて

 --昨年の経営状況と今年の展望は

 「当社は、タイヤの原料になる合成ゴムなどのエラストマー事業とスマートフォンや大型テレビなどのディスプレーに使用する光学フィルムなどに代表される高機能材料事業が二本柱。2017年は、為替が円安傾向で推移し、天然ゴム価格も上昇傾向だったため合成ゴム価格は堅調だった。高機能材料事業もスマートフォンやタブレット、有機EL用の高精細画面に使用される光学フィルムが大きく伸び、リチウムイオン電池の負極用バインダーも中国を中心に伸びた。このため、エラストマー事業、高機能材料事業ともに好調で、上期は売上高、利益ともに過去最高だった。通期業績も上方修正した。18年度に入ってもこの好調さは維持できると期待している」

 --20年度で売上高5000億円を目標とする中期経営計画が昨年から最終フェーズに入った

 「中計の柱となる省エネ性能に優れたタイヤに使用されるS-SBR(溶液重合スチレンブタジエンゴム)事業を住友化学と統合した新会社『ZSエラストマー』が事業をスタートした。現在は、販売部門、研究開発部門の一部統合などにとどまっているが、あと1、2年のうちに生産も含めて完全統合したい」

独自技術のプラントで勝負したいが…建設費が高騰