【2018 成長への展望】みずほFG社長・佐藤康博さん(65) (2/2ページ)


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 --デジタル通貨「Jコイン」の検討状況は

 「東京五輪・パラリンピックのある2020年に向けて、18年度は限られた複数の地域で、地方銀行の協力を得ながらJコインの実証実験をしたい。スマートフォンで専用の2次元バーコード『QRコード』を読み込むだけで決済する仕組みを考えている。使い手や店舗の利便性や課題、経済効果を検証したい」

 --人工知能(AI)を活用した個人向け融資事業「Jスコア」が好調だ

 「銀行が変わるきっかけになるかもしれない。異業種と組んで、狙いを絞って広告を出すサービスなどが考えられる。Jスコアから、たとえば旅行会社やレストランチェーンにAIが判断した顧客情報を提供し、顧客に合わせた広告をアプリの中で展開する。一般的な消費者金融とも差別化できる」

 --非金利収益をどうやって伸ばすのか

 「投資信託の販売が落ちたが、あえてお客さまが中長期的に資産形成できるものだけを売るようにした結果、みずほ証券に資産を置いていただく傾向が出てきた。手数料収入は減ったが、最終的には預かり資産残高が大きいところが勝つはずだ。非金利の収益源をもう少し拡大したい。たとえばベンチャー企業に株式化したもので融資することなどを検討したい」

【プロフィル】佐藤康博

 さとう・やすひろ 東大経卒。1976年日本興業銀行(現みずほ銀行)。みずほコーポレート銀行(同)頭取、みずほ銀行頭取などを経て、2014年6月から現職。東京都出身。