資生堂、若者向け販路開拓 高級路線に危機感、SNS限定広告

インスタグラムでの「recipist(レシピスト)」に関する投稿
インスタグラムでの「recipist(レシピスト)」に関する投稿【拡大】

 資生堂が若年層を対象とした新ブランドや販路の開拓に力を入れている。従来の高級路線に頼っていては先細りが懸念されるため、スマートフォンで見られるSNS(交流サイト)に限った広告を作るなどして、10~20代から商品に親しんでもらう狙いだ。

 2017年11月に新たなスキンケアのブランド「recipist(レシピスト)」を打ち出した。テレビCMを出さず、SNSのツイッターやインスタグラムに限定した。「めっちゃいいです」「安いけどこのクオリティー」といった書き込みで評判を広げてもらう。

 参考小売価格も290~840円と、若者が気にする「コスパ(コストパフォーマンス)」の良さを追求した。化粧水(590円)を試用して価格を予想してもらう消費者調査では、平均回答が1784円と実際を大きく上回った。

 開発を担当したブランドマネジメント部新規接点開発室の長野種雅室長は「若い世代の生活に必要なことを調べ、容器も使いやすくシンプルにした」と話す。

 17年10月からは、女性向け動画配信サイトを運営する「C Channel」(シーチャンネル、東京)と共同企画の商品も限定販売した。長野氏は「資生堂は楽しい生活を常に提供すると思われるように新たなチャレンジを増やしたい」と強調した。