再配達のワガママが通じるのはいまだけだ 物流費込みの“希望小売価格”に迫る限界(後編) (3/6ページ)

 AIによる需要予測を積極活用し無駄を削減

 2つめのポイントは消費者に近い部分での需要予測を高度化していくことである。ここでは、AI(人工知能)の活用が重要なカギを握る。需要予測の精度が高まれば、発注数量そのものの無駄が削減できる。

 小売りの在庫管理においてはこれまで、発注担当者の経験と勘がカギを握っていた。大手スーパーマーケットなどでは今、これをAIに置き換える作業が進んでいる。

 天候や近隣で開催されるイベント、競合の情報、SNSの情報などをインプットし、AIで解析していくと、かなり高度な需要予測が可能となる。経済産業省が実施している小売業の生産性向上に関する事業の一環で、NECが実施した実験を例に挙げよう。この実験では、クイーンズ伊勢丹2店舗で「商品需要予測ソリューション」を活用し、日配品10カテゴリ約70品目を対象とした需要予測および来店客数予測の実証実験を行った。需要予測に基づいた商品発注をシミュレーションしたところ、値下げロスを最大で30%削減できたばかりでなく、従業員による予測と同等以上の精度で来店客数を予測できたという。

 近年、店頭における人の採用もかなり厳しくなってきている。そこで考えるべきは、店頭を起点とした物流網の構築だ。具体的には店頭での作業と物流センター側での作業を効率化という観点から見直していく。

ヨーロッパの小売の事例が参考に