【2018 成長への展望】ヤマハ発動機社長・日高祥博さん(54)


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 ■まず2兆円 スピード上げ変革期突破

 --2017年12月期に過去最高益達成が見込まれる中、前任の柳弘之氏(現会長)からバトンを引き継ぎ1月1日付で社長に昇格した。抱負は

 「世界最大の付加価値を持った四輪車産業は大きな変革期に直面し、チャンスを取りにいく異業種が出てきている。二輪車での急激な変化は感じていないが、排ガスを出すエンジン車を禁止するといった各国の規制の動きが怖い。危機感を持ち、スピードを上げて変化に対応する必要がある。柳が築き上げた収益体質を基盤に成長をもっと意識した経営に力を入れる」

 --今年は3カ年の中期経営計画の最終年となる

 「既存事業は、二輪車や電動アシスト自転車などの『モビリティー』、船外機などの『マリン』、産業用ロボットなどの『ロボティクス』の大きく3つに分けられる。その延長線上で数年以内に年間売上高2兆円を達成したい。その先の目標は3兆円だ」

 --3兆円を視野に育てたい成長事業は

 「ロボティクスだ。スピードを上げて経営資源を投入し、売上高を約1000億円(17年12月期見込み)から3000億円以上に伸ばしたい。この分野は工場を省人化した『スマートファクトリー』に進化させる技術など、いろいろな可能性を秘めている」

 --主力の二輪車事業の展開は

 「世界で年間約600万台を販売し、ASEAN(東南アジア諸国連合)が大きな稼ぎ頭だ。インドも需要がまだ伸びると確信している。インド南北にある2工場の年間生産能力を今年中に(30万台増の)150万台に引き上げたい。プラットフォーム(車台)の共有化で、開発費や生産コストの削減も進めたい」

 --四輪車の開発に取り組む狙いは

 「いろいろなモビリティーの新しい価値の提案を得意にしてきた会社なので、きちんとやる。ただ、トヨタ自動車やホンダ、日産自動車がやっているような車をつくっても勝てるわけがない。投資が少なくてすむヤマハらしい『キビキビ感』を味わえる四輪のアイデアがあり、実験している。時間はかかりそうだ」

 --世界的に電動化の流れが強まっている

 「既に排気量50ccクラスの電動スクーター『イービーノ』を販売している。ただ、『遅い』『充電が繰り返し必要』『高価格』といった三重苦を考えると、急速に電動化が進むとは思えない。各国に電動化を後押しする規制ができれば、新たな商品開発が待ったなしだ。外部の知見も集めてバッテリーの性能を上げ、客に選んでもらえるようにしたい」

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【プロフィル】日高祥博

 ひだか・よしひろ 名大法卒、1987年ヤマハ発動機。主に二輪車事業に従事後、企画・財務本部長、取締役などを務め、2018年1月1日から現職。愛知県出身。