金銭よりも感情的な報酬を重視 新卒をいきなり社長にするサイバーエージェントの企業文化 (1/8ページ)

 1998年にインターネット広告の代理店として創業したサイバーエージェントは、今や売り上げ3700億円を誇る大企業となった。事業領域の拡大を貪欲に進めた結果だが、特筆すべきはM&Aといった手法ではなく、多くの新規事業をゼロから社内でつくり上げてきたことだ。それを可能にする経営手法とは…。

※写真はイメージです(Getty Images)

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 スタートアップ(新規事業)の創出に意欲

 AbemaTVなどを手がけ、インターネット系新興メディアの台風の目となっている株式会社サイバーエージェント。その創業は、インターネットの黎明期の1998年である。サイバーエージェントはその後の20年ほどで、急成長を遂げた。現在の売上げは3713億円であり、この5年間で見ても売上げの伸びは2.3倍と大きな成長を果たしている(図1)。

 サイバーエージェンントという企業のひとつの特徴は、本業での成長に加えて、社内アントレプレナー(起業家)を輩出し、スタートアップ(新規事業)を創出することに意欲的に取り組んできたことにある。

(PRESIDENT Onlineより)

(PRESIDENT Onlineより)

 サイバーエージェントが最初に手がけたのは、ネット広告の代理店事業である。当初は小さな市場でしかなかったPC向けネット広告の市場は、その後大きく成長し、サイバーエージェントは、この市場での国内No.1企業となっている。現在のサイバーエージェントのPC向けネット広告事業の売上げは449億円にのぼる。

新規事業の多くをゼロから社内でつくり上げる