金銭よりも感情的な報酬を重視 新卒をいきなり社長にするサイバーエージェントの企業文化 (3/8ページ)

 新卒社員がいきなり社長!?

 では、「決断経験」を大きくするには、どうすればよいか。指示待ちの仕事をしているかぎり、40歳になっても50歳になっても「決断経験」は膨らまないまま、日々がすぎていく。

 そこでサイバーエージェントでは、新卒社員に子会社の社長をまかせたりするなど、可能なかぎり多くの社員が、若いうちから決断経験を大きくしていくことをねらいとした人事を進めてきた。

 「いきなり、その若さで社長がつとまるのか」と思われるかもしれない。では、サイバーエージェントではどうなのか。その答えは、やはり「できない」だという。しかし「できなくてもよい」のだという。どのようなロジックでサイバーエージェントは、このように考えるのか。

 「なぜなら、それでもずっとまかせていくと、できるようになる」

 これがサイバーエージェントの考えである。スポーツでも何でもそうだ。最初はできなくても繰り返していると、やがてできるようになる。

 飯塚勇太氏は、サイバーエージェントへの入社前の内定者の段階で、子会社の社長となった。当時開発した写真共有アプリが、半年間で100万ダウンロードを突破する勢いを見せた実績を認められてのことである。しかし、その後この子会社が順風満帆であり続けたわけではない。スタートアップのきっかけとなった写真共有アプリは、利用者は多いが無料だった。収益源を確保するべく、新たに投入したアプリは不発で、子会社は倒産寸前に追い込まれた。

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