【2018 成長への展望】伊藤忠商事社長・岡藤正広さん(68)


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 ■中国、国有企業との連携に商機あり

 --朝型勤務シフトやがん治療支援体制など働き方改革に取り組んだ

 「がんを宣告されたら本人や家族のショックは大きい。その時に会社はできることは全部やると宣言すれば勇気づけられる。どこの会社よりも一番社員のことを考えていると思える会社にしたい」

 --IoT(モノのインターネット)など技術革新への対応は

 「商社は、何度も機能を変えて冬の時代を乗り越えたが、この第4次産業革命は簡単ではない。接点がない企業が新たなビジネスモデルを立ち上げているからだ。4月からの新中期経営計画には新技術を使って何をやるかの具体策を盛り込みたい。例えば小型無人機ドローンの世界最大手は中国の会社だ」

 --中国には活力があると

 「中国はある意味で規制はない。産業はどんどん育てる考えで、共産党の立場が危うくなるときだけ政治的な規制がかかる。最初に仕組みができて無人店舗やスマートフォン決済も進み、日本に流れる可能性もある。後追いにならないよう変化を取り込みたい」

 --国有企業の中国中信集団(CITIC)との資本業務提携の相乗効果は

 「長期の視点が必要で、政権が盤石になったこれからがチャンスだ。中国共産党が一番強化したいのは国有企業だ。民間は政府とぶつかれば、一気にしぼむリスクもあるが、国有との提携で正しい情報も入手できる。すでに合意した病院事業や食の関連、金融とITを融合したフィンテックなどに商機がある。電子商取引も含め日本製を売り込むチャンスも増える」

 --ユニー・ファミリーマートホールディングスの次の一手は

 「低迷する総合スーパーの特効薬はないといわれたが、長崎屋を立て直し、28期連続増益のドンキホーテホールディングスとの資本業務提携で相乗効果を見込む。スーパーは、わくわく感があり、つい、いらないものまで買ってしまうドンキのような店づくりができていなかった。店舗開発も学びたい。ファミリーマートとユニー、ドンキの連合で、仕入れの購買力強化や商品開発に加えネットビジネスにどう取り組むかだ」

 --2018年3月期の最終利益は4000億円と2期連続の過去最高を見込む

 「昨年は本当に輝いた一年で、10年ぶりにムーディーズからA格を取得した。今年は気持ちを引き締めてスタートしたい」

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【プロフィル】岡藤正広

 おかふじ・まさひろ 東大経卒。1974年年伊藤忠商事。2002年執行役員、常務・繊維カンパニープレジデント。専務、副社長を経て、10年4月から現職。大阪府出身。