【2018 成長への展望】富士通社長・田中達也さん(61)


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 ■顧客と事業パートナーの関係を築く

 --今年はどういう年にしたい

 「漢字で一言でいうなら2016年は『進』、17年は『信』と表してきたが、今年は『深』だ。もう一度お客さまとの関係を深くし、より顧客への価値提供ということをよく考えていきたい」

 --昨年は「働き方改革」への取り組みを強めた

 「当社内では全体の7割の職場でテレワークを導入したが、アンケートでは実施者の85%が時間を有効活用できると回答している。サテライトオフィスは汐留や川崎など9拠点あるが今後3拠点を追加する。女性活躍を推進するために設置した事業所内保育所の社員満足度が高い。引き続き仕事と家庭の両立が可能な環境整備を進めていく」

 --米マイクロソフト(MS)と協業し、社外に対しては働き方改革の支援サービスを行う

 「働き方改革の本質は生産性の向上だろう。経営者に聞いても日本はもう少し海外に学ぶ必要があると話している。当社の技術だけでは難しい部分はMSと組み、われわれと一緒になって解決する提案をしていく。生産性を上げることは人手不足の解消にもなる。長い目で見れば人口構造の少子高齢化問題の解決にも寄与する」

 --今後、どういう特徴を出すのか

 「1つは総合的な技術力をベースにする。通信、デバイス、大型コンピューターときてトータルの技術を経験し蓄積もしている。そうした技術力を背景に、製品やサービスを開発するときに(顧客と)一緒になって事業のパートナーとしての関係を築くのが理想だ」

 「今後の課題はサイバーセキュリティーだが、攻撃の対象が増えてきており、総合的な技術力がないと本当の意味でのセキュリティー・マネジメント・サービスはできないはずだ」

 --将来、次世代コンピューターの開発競争に参戦するのか

 「量子コンピューターについて一つのターゲットとして取り組んでいく」

 --携帯電話事業の売却については

 「いろんな選択肢を考える方針は変わってない。状況を見て進めていく」

 --大手企業による品質データ改竄(かいざん)問題など日本のものづくりは揺らいでいる

 「現場力は日本の強みで、維持していくことが大切だ。海外との競争の中で弱まっているというのなら強化していくべきだ」

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【プロフィル】田中達也

 たなか・たつや 東京理科大理工卒。1980年富士通。執行役員常務兼Asiaリージョン長、執行役員副社長などを経て、2015年6月から現職。福岡県出身。