日立、英原発新設事業費で協議 政府支援含め3兆円確保へ

 日立製作所が英国で計画する原発新設事業をめぐり、総額3兆円規模とされる事業費の確保へ主力取引銀行や電力各社と本格協議を進めていることが9日、分かった。日本政府の支援も得て「オールジャパン」体制の確立を目指す。採算性を慎重に見極め、実行に移すかどうかの最終判断を2019年度に下す予定だ。

 日立は、中西宏明会長が経団連次期会長に就くことが同日、正式に内定した。中西氏の前に日立のトップを務めた川村隆氏は現在、東京電力ホールディングス会長だ。国内の原発事業で、日立の存在感が高まっている。

 英原発の事業費は融資と出資半々で調達する計画だ。融資は、政府系の国際協力銀行(JBIC)が軸となり、三菱東京UFJ銀行などメガ3行も各千数百億円を出す方向で調整している。民間分は政府が全額出資する日本貿易保険(NEXI)が債務保証する。

 出資は日立のほか、政府系の日本政策投資銀行が検討中。日本原子力発電や中部電力に加え、東電にも打診しているもようだ。リスク分散とともに、福島第1原発事故以降の課題である技術継承につなげる狙いもある。

 投融資の枠組みづくりは「まだ動いていて、かなり高い確率で成功するという確信も必要」(銀行幹部)といい、流動的な面が残る。英国の政府や金融機関がどこまで参画するかも鍵を握る。

 原発新設は、安全対策費の増加などから各国で難航している。東芝傘下だった米原子力大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)は巨額損失の計上に追い込まれ、17年3月に経営破綻した。フランス大手のアレバも経営が悪化して政府の支援を受けた。