日本の「タクシー王子」、業界変革に奔走 黒船ウーバーを迎え撃つ施策 (1/4ページ)

 「初乗り410円」「タクシーアプリ」「定額運賃」。世界中を席巻している米ウーバー・テクノロジーズに代表される新興配車サービスを迎え撃つ日本のタクシー業界がここ数年で矢継ぎ早に打ち出した施策だ。その背後にいるのが「タクシー王子」の異名を持つ日本交通の川鍋一朗会長だ。

 創業家の3代目で幼稚舎からの生粋の慶応ボーイ。米国で経営学修士(MBA)を取得して米マッキンゼーでコンサルタントとして活躍、妻の祖父は中曽根康弘元首相という華々しい経歴を持つプリンスは業界団体の全国ハイヤー・タクシー連合会会長も務める。黒船のように押し寄せる新興配車サービスに対抗すべく、ITの積極導入など旧態依然とされる業界改革に奔走している。

 業界をめぐる状況は厳しい。国土交通省の統計によると、2005年度を100とした15年度の国内旅客輸送量は鉄道が111、航空が102、乗り合いバスが101と増加する一方で、タクシーは68と大幅に減少した。需要が尻すぼみとなるなか、スマートフォンのアプリを使った配車サービスでは新規参入が相次いでおり市場は乱戦模様となっている。

 営業許可のない自家用車での配送サービス、いわゆる「白タク行為」が禁じられていることから13年に日本に上陸したウーバーはハイヤーの配車サービスを提供。メッセージアプリのLINEも同様のサービスを手掛けている。目的地やルートを限定してライドシェア(相乗り)を一部可能にしたサービス「ノリーナ」を展開する「ゼロ・トゥ・ワン」(横浜市)など新興企業も台頭している。

 川鍋氏は日本のタクシー業界は地場の零細が多く、特に地方では経営的に死に体の会社も増えるなど課題は多いと前置きしたうえで、自社や業界の最近の取り組みについて「タクシーを進化させようとしてやっている」と述べた。「タクシーがちゃんとしていて、ある程度リーズナブルでちゃんと使えるすてきなアプリがあればみんなライドシェアをほしがらないと思う」とも話した。

DL数は配車アプリとして国内最大