太陽光事業者の倒産35%増 平成29年、過去最多88件に

日本支社を撤退させた中国の「レネソーラ・ジャパン」が入るビル=東京都千代田区(三枝玄太郎撮影)
日本支社を撤退させた中国の「レネソーラ・ジャパン」が入るビル=東京都千代田区(三枝玄太郎撮影)【拡大】

 東京商工リサーチは12日、平成29年の太陽光発電関連事業者の倒産件数が前年比35・4%増の88件だったと発表した。12年に調査を始めて以降、最も多かった28年の65件を上回った。29年1~9月末時点で超えていた。国の再生可能エネルギー政策の見直しで固定買い取り価格が引き下げられ、事業環境が厳しくなった。

 倒産した企業の負債総額も285億1700万円となり、最大だった28年の242億4100万円を超えた。

 経済産業省は、太陽光発電の買い取り価格の引き下げを続けている。事業者向け価格は24年度に1キロワット時当たり40円だったが、29年度には21円と半額近くになった。太陽光関連事業者の採算は悪化している。

 調査対象は太陽光発電の施工や販売を手掛ける業者のほか、太陽光パネルの製造会社など。

 東京商工リサーチは「太陽光の設置工事の値下げ圧力が強まっており、対応できない事業者の淘汰が今後も避けられない」と指摘。30年も引き続き、倒産は高水準に推移する可能性が高いと分析している。