【2018 成長への展望】三菱重工業社長・宮永俊一さん(69) (2/2ページ)


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 --米イースタン航空が注文をキャンセルする可能性がある

 「米国の大きな契約先からキャンセルはない。米イースタン航空については同社が(他社に買収されることが決まったため)そうしたこともありうるが、全体の計画に大きな影響はない。MRJの開発はいろいろな夢があってやろうと決めた。世界的に航空機の需要が伸びるのは確実だ。日本の産業界に夢が残るものにしたい、という気持ちを強く持っている」

 --火力発電所向けガスタービンの需要が低迷した

 「急激に落ち込んだのは想定外だった。今後2年、長ければ3年は現在の状態が続くのではないか。(海外の競合が相次ぎ人員削減に踏み切っているが)日本ではレイオフはなじまない。自然減以外の部分は職能転換したり、成長分野に異動することで対応する」

 --4月に新中期経営計画が始動する。現行計画で先送りした連結売上高5兆円の目標は

 「最優先事項は、財務基盤を強固にすることだ。MRJが完全に事業化されれば、もっとやらねばならないことが出てくる。新しい事業を創造したり、販売網を強化したりするには強固な財務基盤が欠かせない。20年ごろに5兆円を目指したい」

【プロフィル】宮永俊一

 みやなが・しゅんいち 東大法卒。1972年三菱重工業入社。執行役員、常務執行役員、副社長執行役員などを経て、2013年4月から現職。福岡県出身。