【新春直球緩球】アサヒグループHD・小路明善社長 強み磨き国際競争力を強化

アサヒグループHDの小路明善社長=東京都墨田区(寺河内美奈撮影)
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 --消費動向の見通しは

 「忘年会シーズンの飲食店や、歳暮商戦のビールギフトが好調だった。身近な日用品であるビールの動きは個人消費と直結しており、期待を持てそうだ」

 --昨年は中東欧5カ国のビール事業を買収した一方、中国の青島ビールなど株式売却も相次いだ

 「ビールメーカーとして世界3位に躍進した。グローバル化の大きな一歩だ。青島ビールやインドネシア飲料事業などの売却は、事業の選択と集中を進めるため。マイノリティー出資先や低採算事業を切り離して2000億円を得た。負債の返済と研究開発へ回したい」

 --大きく広がった海外ビール事業の方針は

 「目指す姿は『強い競争力を持つ、プレミアムなグローバルメーカー』だ。強みを磨き、国際競争力をさらに高めたい。量より質を追求する」

 --国内でのクラフトビール人気にどう対応する

 「大々的に手がける考えはない。それよりも、傘下に収めたイタリアの『ペローニ』やチェコの『ピルスナーウルケル』を展開していく。ビール通が集う店やイタリア料理店などから広げたい」

 --酒の安売り規制や各社が今春行う業務用の値上げは、ビール市場を冷やす

 「価値の高い商品、今までなかった商品を出すことと同時に、コト消費への志向にこたえて活性化を図りたい。たとえば各地のオクトーバーフェストへの協賛といった取り組みを息長く続けていく」