【視点】少子高齢化の波、経営者にも 中小企業に迫る「大廃業時代」 (1/3ページ)

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 ■産経新聞論説委員・河合雅司

 少子高齢化の波は、企業経営者にも押し寄せる。東京商工リサーチの「休廃業・解散企業動向調査」(2016年)によれば、倒産件数が08年の1万5646件をピークに下降線を描く一方で、休廃業や解散は増加傾向となってきた。

 16年は2万9583件(8.2%増)で過去最高となった。00年(1万6110件)の倍近い水準だ。サービス業他と建設業で半数を占めた。

 中小企業白書(17年版)は10年前に比べ伸び幅が一番大きかったのは、非営利団体や政治団体などを除けば一般診療所(335件増)だったと紹介している。食堂・レストラン(271件増)、土木建築サービス業(210件増)、経営コンサルタント業、純粋持ち株会社(186件増)、歯科診療所(169件増)が続いた。

 注目すべきは休廃業や解散した企業の経営者の年齢だ。60歳以上が82.4%(16年)を占め過去最高となった。80歳以上の14.0%も過去一番であった。経営者の高齢化が進んでいる。中小企業全体でも、経営者の年齢構成(15年)は60代(37.0%)や70代(19.1%)のシェアが10年前に比べて増加している。

 中小企業経営者の平均引退年齢は70歳だが、経済産業省の資料はこれを超える経営者が25年には約245万人に上ると予測する。約半数の127万社(日本企業の約3割)では後継者が決まっていない。「大廃業時代」が迫ってきているのである。

黒字経営でも後継者不足によって廃業