【トップは語る】イグス 樹脂製ベアリング、需要掘り起こしに全力


【拡大】

 □イグス社長・北川邦彦さん(60)

 --年率2割増のペースで売上高が伸びている

 「2011年9月に社長に就任したが、17年12月期で売上高が2倍に増えた見通しだ。当社は独イグスの日本法人で、かつては樹脂製のケーブル保護管が売り上げのほとんどを占めていたが、樹脂製のケーブルとベアリングにも力を入れ3本柱にしたことが大きい。中でもベアリングの伸びが顕著だ」

 --ベアリングが伸びている理由は

 「金属製ベアリングからの置き換えがどんどん増えている。金属のように油を差すなどのメンテナンスがいらないうえ、さびずホコリにも強い。殺菌消毒が必要な医療や食品分野などの機器への採用が増えている。日本のベアリング市場は年間1000億円超あるが、樹脂製ベアリングの割合は他社製を入れてもまだ0.3%程度にすぎない。膨大な置き換え需要、まさに宝の山が目の前にあり、この掘り起こしに全力を挙げている」

 --自動車分野への採用は

 「樹脂製ベアリングの重さは金属製のわずか7分の1だ。こうした点も評価され欧米自動車メーカーには1台当たりイグスの樹脂製ベアリングが平均で約40個使われている。これに対し日本車は約2個とまだまだ少ないが、少しずつ採用が増えてきている。今後の自動車の本命とされる電気自動車(EV)では、イグスの樹脂製ベアリングを使うプロジェクトがすごい数で進んでいる」

 --株式公開(IPO)は考えているか

 「独の親会社の考え、そして私の考えでもあるが、IPOは一切考えていない。イグスには『お客さまは太陽』という概念がある。お客さまが輝いてそのエネルギーを享受するというものだ。ショートレンジで利益を上げることよりも、お客さまに喜んでいただける製品の提供を重視する。この考え方にIPOはそぐわない」

                   ◇

【プロフィル】北川邦彦

 きたがわ・くにひこ 広島大院修了。住友金属工業(SUMCO)、米アリゾナ州立大教授、住友商事、米アプライドマテリアルズジャパンなどを経てアドバンスドエナジージャパン社長。2011年9月から現職。広島県出身。