【2018 成長への展望】藍澤証券社長・藍澤基彌さん(75)


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 ■「超リテール証券」預かり資産倍増へ

 --「超リテール証券」を掲げている

 「『より多くの人に証券投資を通じより豊かな生活を提供する』という経営理念の下、顧客に寄り添い、ニーズに応える証券会社を目指している。富裕層を多く集めることも経営戦略として必要だが、われわれの取引先の多くは富裕層より普通の人たち。商店主や町工場の経営者、これからの世代といった顧客に提供する価値の大きさで評価されたい」

 --そのために必要なことは

 「一つは顧客に希望を宅配する『ホープクーリエ』で、金融商品の提供を通じ顧客の発展拡大にできる限り手伝い、資産形成に貢献したい。金融商品だけでなく相続や事業などの悩みにも応えていく。そのためには顧客に喜ばれ、感謝され信頼を醸成する必要がある。こうした顧客第一のソリューションスタイルのビジネスを展開する」

 --アジア株といえば藍澤証券といわれる存在だ

 「アジア12市場の株式を取り扱っており業界最大水準だ。株価は企業業績に基づいて上がったり下がったりする。環境が悪ければいい商品でも収益を上げられないこともある。限られた市場、銘柄に投資するのは賢くない。多様性が大事であり、分散投資すればリスクは下がる。日本株プラスアジア株でポートフォリオを組むほうが顧客もメリットを享受できる」

 --地域金融機関との提携にも積極的だ

 「東京一極集中の経済はいずれ行き詰まる。株式市場は大企業の高業績を反映して活況だが、日本全体では『株が上がっても給料は上がらない』状況で、地方は余計ひどい。しかし地方には東京の消費者に喜んでもらえる商品が多くある。それを紹介し地方の素晴らしさを理解してもらえれば地方創生につながる。また地方の銀行や信金・信組などと提携しネットワークを広げれば、それだけ顧客ニーズに応えられる。後継問題を抱える中小企業の事業承継も解決しやすくなる」

 --今年7月には創業100周年を迎える

 「企業は永遠と考えており、100年は通過点に過ぎない。その先を見据えて何を目指すかというと、口幅ったいが『超リテール証券』。道半ばというよりまだ一歩、二歩を踏み出した程度。しかし他の証券会社にはない経営戦略であり、独立独歩で努力を重ねるしかない。超リテール証券になるため、顧客の生活を支えるお金を蓄え、信頼の証しである預かり資産を2025年3月末までに2倍の2兆円を目指す。これが超リテール証券の最初の完成形だ」

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【プロフィル】藍澤基彌

 あいざわ・もとや 慶大経卒。1965年日本勧業証券(現みずほ証券)入社。73年藍澤証券常務、79年から現職。東京都出身。