【2018 成長への展望】内田洋行社長・大久保昇さん(63)


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 ■都心のオフィス完成ラッシュに好機

 --オフィス関連家具の市場環境は

 「東京都心部では再開発が相次いでおり、2018年は大規模オフィスビルの完成ラッシュを迎える。新しいオフィスに移転するというのは、われわれが新築の戸建て住宅やマンションを購入するようなもの。その際には新しい家具をそろえる傾向が強いので、同様の効果が期待できる。また、人手不足が深刻化している点を踏まえ、オフィス環境を整備して採用活動を有利に進めようと考える企業も増えている。こうした観点からの需要にも期待している」

 --働き方改革への関心の高まりも追い風だ

 「企業風土を変えて組み立て直そうという取り組みのため、時間を要するし多大なパワーが求められる。その意味で、本社を移転するときが絶好のタイミングだと認識している。18年は大きなチャンスだ。また、働き方改革は就業管理という側面が強かったが、コミュニケーションの活発化という方向性を目指している。それを支えていきたい」

 --具体的には

 「当社はITインフラ関連に絶対的に自信があり、会議室管理のシェアが高い。しかし、会議室の使い方にはまだまだ改善の余地がある。例えばフリーアドレス制を導入する場合、『仕事をしやすい場所を自分で選べる』といった観点からの空間をこちらが薦め、先方も納得してくれるが、会議室は強制的に人を集める空間で自ら選べないからだ。議論しやすい環境を構築して“ワイガヤ”感を増すためにも、オフィス関連家具とITの融合戦略をさらに前面に押し出していく」

 --教育関連事業の見通しは

 「20年度から新しいカリキュラムが順次スタートするのに備えた戦略を強化する。小中学校の英語教育が拡充されるので、英語のアプリケーションを増やしていく。スカイプの導入にも注力したい。当社は『フューチャークラスルーム』という、ICT(情報通信技術)を有効に使える独自の教室空間コンセプトを提唱している。これからの授業はアクティブラーニングが主力。需要は高まってくるだろう。社会貢献という見地からも事業拡大に努めたい」

 --IoT(モノのインターネット)戦略は

 「海外で事業を展開している企業の品質管理のデータを集めてきたが、ここにきて急速にニーズが高まっている。経営の意思決定を行う場面で活用するときはデータの見える化が重要な役割を果たすので、周辺サービスの強化を図っていく」

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【プロフィル】大久保昇

 おおくぼ・のぼる 京大工卒。1979年内田洋行入社。取締役常務執行役員、同専務執行役員を経て、2014年7月から現職。大阪府出身。