【2018 成長への展望】双日社長・藤本昌義さん(60)


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 ■安定収益体制構築へ生活産業を強化

 --今年4月から新中期経営計画が始まる

 「2017年度を最終年度とする3カ年の経営計画では、計3000億円の投融資と安定的に500億円の最終利益を稼ぐ目標を掲げた。17年度の約1500億円の投融資もほぼ実行できる。これらの投資から100億~150億円を稼ぐ計画だ。新中計はこの投資をどう具体化し、利益を刈り取るかがもっとも重要だ。昨年投資したトルコの病院事業は全社横断の仕事として取り組む。医療機器の導入にもつなげ、このモデルを中東にも展開したい」

 --課題は何か

 「18年3月期の収益は正直、石炭価格などの上昇も貢献している。市況に左右されない収益体制を構築するには、安定収益の生活産業の強化が課題だ。ベトナムのコンビニエンスストア事業を強化していくほか、日本の畜肉加工会社や物流会社などとともに調達力を強化する『ミートワンプロジェクト』もスタートし、将来のアジア展開も検討していきたい。外国人投資家からは『総合』を批判されることもあるが、総合商社の看板を掲げている以上、選択と集中はせずに長期の視点も入れて投資していきたい」

 --強みの事業をどう伸ばすのか

 「米ボーイングの販売代理店で強みを持つ航空機関連は中古機を分解し、部品を販売するパーツアウト事業を強化したい。ビジネスジェット事業も香港を中心に販売が好調で、中国やアジアの富裕層を開拓する。空港事業もパラオの空港受注を機にアジアにも広げたい。肥料事業については、タイなどに続き、ミャンマーでは肥料の袋詰めに加え、今後は生産も視野にいれているほか、その隣国の農業国、バングラデシュも市場開拓していく」

 --期待する新興国は

 「空港や鉄道などインフラ計画が多数あるバングラデシュは日本政府も力を入れており、有望市場だ。今春には事務所を再開し、本格的に取り組む。貨物高速鉄道の建設工事を受注したインドでは、新幹線に関心がある。インド企業と日本技術の橋渡しの役割もしていきたい」

 --人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)など、技術革新への対応は

 「昨年6月のシリコンバレー事務所開設に続き、イスラエルの技術にも関心を持っている。肥料事業もIoTを使っていつ、どのくらい蒔(ま)けば効率化できるかのデータを集めて収益や効率経営につなげたい」

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【プロフィル】藤本昌義

 ふじもと・まさよし 東大法卒。1981年日商岩井(現双日)入社。自動車産業プロジェクト部長、双日米国会社兼米州機械部門長、常務、専務を経て、2017年6月から現職。福岡県出身。