【ハザードマップ】はれのひ/林産業 前受金ビジネスのリスク浮き彫り

 ▼はれのひ はれのひは1月9日までに全店舗を閉鎖し、事実上事業を停止した。同社は「シーン・コンサルティング」の商号で設立され、当初は振り袖販売店向けのコンサルティング業務を主体に事業を展開していた。2012年7月に横浜市内に店舗を開設し販売・貸し出しへ本格参入。横須賀店、福岡天神店、八王子店、つくば店、柏店を次々とオープン。11年9月期に3500万円だった売上高は、16年9月期に4億8000万円へ拡大した。

 しかし、昨年から取引債務や従業員給与の支払い遅延が発生するなど信用が低下。一部店舗では1月7日から従業員が出社せず、8日の成人の日に予約していた晴れ着が届かないなど、各地でトラブルが表面化した。

 その後、対外的に4億8000万円と公表していた16年9月期の売上高は、実際は3億8000万円で、最終損益は3億6000万円の赤字だったと判明。同期末で約3億2000万円の債務超過に陥っていた。また、一部求人サイトなど外部には「資本金1000万円」と公表していたが、商業登記簿の資本金は150万円だった。

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 ▼林産業 林産業は1月11日、高松地裁丸亀支部に破産を申請した。

 1946年に創業。当初は鉄工所として発足したが、縫製業に転じ、その後は大手通販企業向けの下着縫製を主体に業容を拡大した。ピークの97年2月期は売上高38億円を計上し、中国に合弁会社を設立するなど、生産体制も構築した。

 だが、これらの出資負担などで借入金への依存度が高まった。近年は安価な海外製品、同業者との競合も激化し業績は低迷。2015年12月期(決算期変更)の売上高は約12億円にとどまり、不良在庫や中国子会社への貸付金の回収不能分などの処理で約1億2000万円の赤字となった。16年12月期はリストラ効果などで1491万円の黒字となったが、減収基調には歯止めが掛からなかった。

 金融機関への支払い条件を変更するなどして事業を継続したが、売り上げは伸びず、今回の措置となった。

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【会社概要】はれのひ

 ▽本社=横浜市中区

 ▽設立=2011年3月

 ▽資本金=150万円

 ▽負債額=約6億1000万円 (2016年9月期時点)

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【会社概要】林産業

 ▽本社=香川県坂出市

 ▽設立=1958年3月

 ▽資本金=9800万円

 ▽負債額=約17億5000万円

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 〈チェックポイント〉

 成人式当日に音信不通という前代未聞のはれのひの破綻。社長の行方は依然として不明だが、未払いが常態化し、顧客が支払った予約代金頼みの自転車操業だったことが判明している。昨年、社会問題化したてるみくらぶの破綻と同様、一般顧客を巻き込む前受金ビジネスのリスクが浮き彫りとなった。

 林産業は中国での生産体制を進めたが、投融資が重荷となっていた。2017年の「チャイナリスク」関連倒産は54件発生した。多くの国内メーカーが中国に製造拠点を構え、資材調達を依存している。しかし、高騰する調達コストと品質のかじ取りで苦慮するケースも多い。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)