大手銀「通帳前提」サービス見直し 維持管理費の削減で検討 預金者反発も (2/2ページ)

記者会見する全国銀行協会の平野信行会長=18日午後、東京都千代田区
記者会見する全国銀行協会の平野信行会長=18日午後、東京都千代田区【拡大】

 紙の通帳は「(出入金記録を)墨で書き、印鑑を押していたころの遺物。海外では使われていない」(大手行首脳)とも指摘され、各行は税額負担を抑制するため預金者をネット口座に誘導したい考えだ。

 ただ日本の預金者は、銀行口座は無料との認識が強い。低金利下で利ざやが稼げず経営環境が悪化したとはいえ、大手行の多くは業績好調で、東芝の債務超過解消が確定したことで今期は回収不能に備えた貸し倒れ引当金の戻り益も見込める。このため業界では「どうやって(預金者の)理解を得るのか難しい」(全国地方銀行協会の佐久間英利会長)と困難視する声もある。