【2018 成長への展望】TDK社長・石黒成直さん(60)


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 ■HDD部品や磁気応用製品てこ入れ

 --2018年の電子部品の市場見通しは

 「かなり底堅い需要が継続するだろう。電子部品はかつては家電、最近ではスマートフォンの善しあしで浮き沈みがあったが、自動車の電動化や産業機械のインテリジェント化が急速に進み、多くの電子部品が使われるようになって、一つのデバイスの景況感が左右しなくなってきた」

 --中期経営計画の最終年度の18年3月期に、売上高営業利益率10%以上とした目標が未達となりそうだ

 「営業利益率は7~8%で着地しそうだ。高収益だった高周波部品事業を米クアルコムに売却したほか、米センサー大手のインベンセンスの買収に関わる一時費用がかさんだことなどが影響した」

 --次期中計の目標は

 「21年3月期に営業利益2000億円の達成を目指す。18年3月期は850億円の見通しだが、100億円程度の買収の一時費用を除けば、来期はほぼ1000億円超が見えている。どう倍増させるのかが腕の見せどころだ」

 --どのように収益を伸ばすのか

 「センサーとパワーデバイスの2つの事業を傾注分野に掲げ、顧客の困り事をよく聞き、技術や商品で解決する力を磨いてビジネスを伸ばしたい。足を引っ張ったハードディスクドライブ(HDD)用部品やマグネットなど磁気応用製品のてこ入れも課題だ」

 --具体的な施策は

 「センサーはここ数年のM&A(企業の合併・買収)で一通りの技術を手に入れた。各センサーを複合化して顧客の使い勝手のいいようにパッケージ化できるし、顧客の裾野も広がった。センサー市場で現在のシェアは10%弱だが、最低でも3年後には20%のシェアを取りたい。2次電池などのパワーデバイスでもセンサーでやったような仕掛けをしていきたい」

 --次世代電池の全固体電池ではIoT(モノのインターネット)機器向けの小容量型を春にも量産する

 「基板に実装できるのが特徴で、配線フリーで基板の上でソリューションが完結でき、使い勝手はかなり画期的だ。思いつかなかったアプリケーションも生まれるだろうし、地道に取り組んでいく必要がある」

 --昨年は素材大手の品質問題が相次いだ

 「人ごとではなく学ばなければならない。われわれは最終製品検査では品質保証はできないと考えており、ものづくりの最中も含めて品質管理し、リスクを全て排除する活動を進めている」

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【プロフィル】石黒成直

 いしぐろ・しげなお 北海道大理中退。1982年東京電気化学工業(現TDK)入社。執行役員、常務執行役員などを経て、2016年6月から現職。東京都出身。