【エコスタイルのエコBIz】Jクレジット制度で環境価値を創造

 ■還元目的を明確化、活動契機に

 国内において環境価値を具現化する仕組みとして「Jクレジット制度」がある。簡単に言うと環境にいいことをした場合、それを環境価値として認め、その価値をお金に交換したり、二酸化炭素(CO2)排出係数を下げるために消費したりできる仕組みだ。ここで言う環境価値とは、温室効果ガス(GHG)の排出削減量を価値として認めることで、Jクレジット制度では約60通りのGHGを削減する方法論が認められている。

 ◆削減分を大企業購入

 環境価値として認められたGHG削減量は「クレジット」と呼ばれ、相対取引や市場を通じて売却できる。主な購入者は大きな工場などを所有する大企業が多い。温暖化対策法の下で義務付けられた省エネ義務相当分について、実際の経済活動の中で削減しきれなかった量を、ゼロエミッション価値としてクレジットを購入することで制度上オフセットできる。分かりやすく言うと、他人が削減したGHG量を、お金を払って購入することで自ら削減したことにできるということである。

 そもそもJクレジット制度は、設備投資費用負担が大きい中小企業にエネルギー効率の高い設備の導入など、低炭素投資のインセンティブを高めるために導入された。日本は1997年の第3回気候変動枠組み条約締約国会議で世界初の国際協定となった京都議定書の第一約束期間(2008~12年)で、1990年比6%のGHG排出削減を目標に掲げたが、大企業中心の自主行動計画では達成に限界があったからだ。

 Jクレジット制度は価値創造の方法と生み出されたクレジットの利用方法が多様であり、エコスタイルはその汎用(はんよう)性に着目し、地域や社会に還元する仕組みとして活用している。

 ◆束ねる役割担う

 具体的には、企業などが自家消費する太陽光発電設備を設置することで電力系統から購入する電気量が削減。それにより創出される環境価値を、複数の案件をまとめて扱うことができるプログラム型で束ねてクレジット化。その売却資金を社会に還元する仕組みを構築している。一企業や一消費者の活動によって生み出される環境価値は限られるものの、束ねることで社会にインパクトを与えるだけの規模になり得る。その仕組みの提供と仲介役をエコスタイルが担っている。

 事例として、複数の学校の屋上などに自家消費の太陽光発電設備を設置。創出した環境価値をエコスタイルが束ねて売却し、その資金を教育イベントへの協賛金の原資とする。学校はコスト削減に加え、通常の教育カリキュラムにはない教育プログラムに間接的に協力し生徒にその機会を提供することができる。実際にエコスタイルは「教育と探求社」(東京都千代田区)が主催する中高生、高専生を対象とした「パワー・オブ・イノベーション」に協賛。アクティブラーニングで実績を持つ同社のイベントを、学校が創出した環境価値の受け皿とすることで循環的な社会還元スキームが実現できる。

 このようにJクレジット制度は、創出する環境価値をテーマごとにまとめ、その還元目的を明確にできることから関係する人々が環境に優しい活動を起こすきっかけにもなる。(中島健吾 取締役電力事業部長)

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【プロフィル】中島健吾

 なかしま・けんご 1991年横浜市立大商卒。外資系証券会社や信託銀行などを経て、2015年エコスタイルに入社し、取締役。49歳。島根県出身。