大きなスクリーンに投影された対戦を見て観客は展開に一喜一憂する【拡大】
◆学生時代にプロの道へ
デジタルハリウッドで17年11月に講演を行ったマイキー選手は、「デジハリに通っていた学生時代に『ウイイレ』の大会があって、全国大会で優勝して世界大会にも行かせていただいた」ことから、今のプロゲーマーへの道を歩み始めたと明かした。当時は「ゲームをしながらお金をいただいて生活しているプレーヤーもまだ珍しかった。自分も趣味の範囲で練習はしていたが、それで生活しようというのはなかった」という。
それでも「出るからには優勝したいと思っていた」が、世界の大会で強豪たちとあたって自分との力の差を感じ、勝つためにいろいろと考え始めた。「リアルのサッカーでもスペイン代表とブラジル代表の戦い方は違う。スペインだとパスでつなぎブラジルやアルゼンチンは個人技を使う。日本は組織的に11人で連携して戦うスタイル」。それが試合にも出て、勝敗に影響を与えていたという。
ゲームに勝つという意気込みも違っていた。「欠陥ではないが、力が入りやすいシュートがあって、そのワンパターンだけを究めている外国人もいた」。効率性だけを考えて仕上げてくる海外のプレーヤーが、自分にはないサッカーゲーム観で予想をしていない動きをしてくることを理解し挑んだ翌年の世界大会で、マイキー選手は準優勝を果たして名を上げた。
そうやって掴んだプロゲーマーのポジション。「チームに所属したり、スポンサーがついていたりする。負けて次に頑張ろうではすまなくなり、勝つことが前提になる。負けたときのプレッシャーは半端ない」。そこでメンタル的に負けてしまうと、プロゲーマーとしてはやっていけない。ここもリアルなスポーツと同じ、趣味を仕事にして究めようとする覚悟が求められる。