富士通、携帯事業をファンドに売却へ ITに経営資源集中

 富士通が携帯電話事業を国内投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループに売却する方針を固めたことが26日、分かった。売却額は500億円前後とみられる。富士通は構造改革の一環として昨年から入札手続きを進め、複数のファンドなどが候補に挙がっていた。

 富士通は同日、「(ポラリスと)交渉を行っていることは事実」とのコメントを発表した。 

 富士通は、携帯電話事業を手がける100%出資子会社、富士通コネクテッドテクノロジーズ(川崎市)の株式の過半をポラリスに売る。両社は月内にも契約する見通しだ。 

 ポラリス傘下で事業を強化し、競争力を高めるが、雇用や生産体制は維持し、ブランドも継続する。富士通は販売減が続く携帯事業を連結対象から外し、主力のIT事業に経営資源を集中する。

 富士通は昨年11月、パソコン事業を手がける子会社を中国の聯想(レノボ)グループに売却し、合弁会社化することで合意するなど、構造改革を加速している。

 国内スマートフォン市場は、米アップルのiPhone(アイフォーン)やソニー、シャープなどの人気機種がひしめくほか、低価格の華為技術(ファーウェイ)など中国勢の参入も相次いでおり、事業環境は年々厳しくなっている。

 富士通の携帯事業はスマホ「arrows(アローズ)」や高齢者向けで操作が簡単な「らくらくホン」シリーズで知られるが、平成29年度に計画する出荷台数は310万台と、ピーク時(23年度、約800万台)の半分以下の見込みだ。調査会社IDCジャパンの調べでは、28年の国内スマホ市場のシェア(台数ベース)は6.1%で5位だった。