「また買いたいと思うかどうか」 カルビー会長が自腹で菓子を食べ歩くワケ (3/4ページ)

カルビー 会長●松本 晃氏(PRESIDENT Onlineより)
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 逆に予測が外れたときは何が原因かと考えます。そうやって自分の勘を養っているわけです。自社と他社がどんな商品を出しているか、どんな商品が今後も売れ続けるか--。そういった現場感覚を磨いておくことがとても大事なんです。

 マーケットリサーチなどといって、会社の経費で買ってきた商品を会議室で食べたりしますが、売れるかどうかなんてわかりませんよ。今やどのメーカーの商品もおいしい。それなのに売れるものと売れないものが出てくるのはなぜか。それは結局のところ「身銭を切ってでも食べたい」と人に思ってもらえるかどうかが分かれ目になっているからです。自腹で買ってきて食べてみて、「また買いたいと思うかどうか」を自分で判断することでしかわからないんです。

 この定点観測は、私にとっては趣味みたいなものです。でもこれが私の仕事を支える要素になっています。成果を出すために仕事と余暇の境目がなくなっているというのは、こういうことなんです。

 そうやって3時間ほど、距離にして10キロちょっと歩いて自宅に戻るのが13時頃。お昼の時間ですが、日曜には昼食をとりません。昔ほど、今は食べることには興味がないかもしれません。何も食べないまま、溜まった雑誌を読んだりして過ごします。

 ジムで運動した後、整体院で体を整える

 15時半になるとジムに向かいます。最寄りの駅まで歩いて、そこから電車に乗って行きます。ジムでは筋トレをしたり、走ったりはしません。ウオーキングマシンで1時間ほど歩いて、その後はゴルフの打ちっぱなしを1時間ほどするくらいです。シャワーで汗を流したら、今度は整体に行きます。散歩は雨が降ったら休みますが、整体だけは絶対に欠かしません。これをしないと私の体がもたないんです。20年来同じ整体院に通っていて、私の体のことを全部わかっている先生にお願いしています。

1日を通じて「体を動かしながら休む」