【日本発!起業家の挑戦】ICO投資の将来、ほとんどが損をするわけ (1/5ページ)

仮想通貨(写真)と新規仮想通貨公開の間には大きな違いがある(ブルームバーグ)
仮想通貨(写真)と新規仮想通貨公開の間には大きな違いがある(ブルームバーグ)【拡大】

 昨年9月、中国政府が、企業やプロジェクトが「コイン」または「トークン」と呼ばれる独自の仮想通貨を発行して資金を調達する手段「ICO」(イニシャル・コイン・オファリング、新規仮想通貨公開)を全面禁止してから、アジアの仮想通貨取引の中心が日本に移ってきた。国内では金融庁が事業者と利用者に向けてICOに関する注意喚起をしたものの、これまでのところ規制・監督の動きは緩やかで、マーケットに大きな影響を与えていない。ICOと仮想通貨取引はしばしばひとまとめにして論じられるが、実は両者には大きな違いがある。

 事業モデルに接ぎ木

 仮想通貨はすでに世界経済の重要な一部を占めている。しかし、一方のICOはどうだろう。私は、発行されたトークンのほとんどがいまに無価値になり、ICOは短命のブームに過ぎないことが判明すると考えている。

 この予測が極端という人がいるかもしれないが、そんなことはない。ブロックチェーン技術は経済の根幹を変えることはない。また、巷にあふれる無数のトークンはそもそも平等な価値を持つように作られたものではない。トークンそれ自体に有用性が備わっている場合はその価値は増すが、発行目的が事業から価値を無理に引き出すことである場合はトークンに価値はなくなる。そして、現在行われているICOのほとんどが後者のタイプに属する。

 世界で最も有名で価値の高い仮想通貨はビットコインとイーサリアムである。いずれも、まったく新しい用途を打ち出し、それ自体に実用性が備わっている。ビットコインによって、疑似匿名性で、仲介人を挟まず素早く価値の移転ができるようになった。イーサリアムはスマートコントラクトと呼ばれる効率的な合意システムが特徴で、それによって政府や企業などの機関によらず、誰でもプログラムによって取引の契約を記述・実行できるようになった。

エコシステムの拡大とともに需要が高まり、価格が高騰