【高論卓説】進めたい「学び直し」環境の整備 少子化で揺らぐ大学経営にも光明 (1/2ページ)

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 正月の箱根駅伝に30歳のランナー(東京国際大)が走っていた。指導者になりたくて企業のランナーから大学生に転じたという。6年前、プロ野球選手会の要請で日体大は「リカレント入試」を始めた。高卒選手が大学へ入学できる制度で、セカンドキャリアのために役立つと考えたのである。

 文部科学省の調査によれば、25歳以上の4年制大学への入学者は、わずか2.5%。OECD(経済協力開発機構)の報告書には、「リカレント教育は生涯学習のための戦略」と位置づけてあり、加盟国平均で16.6%の入学者は社会人だ。日本では社会人の「学び直し」は一般的ではない。もっともリカレント教育を文科省は、「学び足し」とも表現している。

 2018年度政府予算案によれば、リカレント教育などの予算額は私学で106億円あり、文化芸術関連予算に匹敵する。人生100年時代を見据えた社会を大胆に構想する政府は、「一億総活躍」の旗を掲げ、だれにでもチャンスのある国へと転じさせ、「人づくり革命」を断行する姿勢を明確にしている。

 働き方改革の観点からしても、女性の再就職の面からしても、人口減少社会と知識基盤社会の現在、経済を成長させつつ、国民が豊かで健康な生活ができる社会を構築せねばならない。そのための大きな施策がリカレント教育の充実であろう。IT技術、AI(人工知能)技術の進展に伴う産業構造の変化、少子化による学校教員のあり方、さらに長寿化社会の到来、この急速な社会変化に対応できる人材の育成は、焦眉の急である。

「費用が高すぎる」「短期間では学べない」…厳しい問題に直面