【木下隆之のクルマ三昧】EV、PHV、FCV…本命は? 次世代パワートレーン覇権の行方 (3/3ページ)

 ◆ガソリン車でもEVと戦える

 ガソリンエンジン開発の手を緩めないマツダは、ピュアなガソリン車でもEVと戦えることを示そうとしているし、日陰の身だったロータリーエンジンをレンジエクステンダーとして生かすつもりである。エンジンで駆動するのではなく、あくまで発電装置としてそれを活用するレンジエクステンダーは、日産ノートe-Powerの爆発的ヒットが証明するように、現代に即している。

マツダの次世代ガソリンエンジン「スカイアクティブX」搭載車

マツダの次世代ガソリンエンジン「スカイアクティブX」搭載車

日産の「ノートe-Power」

日産の「ノートe-Power」

 遠い将来のCO2ゼロカーが誕生するまでは、レンジエクステンダー、もしくはPHVが橋渡しをすることはあきらかだ。ガソリンエンジンと電池との併用時代が続くのである。

 欧州各国が華やかな目標を掲げてはいるものの、ガソリン車消滅を語ってはいない。EV比率の大幅な引き上げのために国が積極的な支援をするとは公言するものの、ガソリン車消滅は誰も断言していないのである。

 ◆誰も確信がないのが本音

 ガソリンを積んで走るレンジエクステンダー、もしくは家庭のコンセントや充電ステーションでバッテリーに電力を蓄えEV走行を続け、空になったらガソリンエンジンで駆動するPHVが、現在の生活に親和性がある。

 正直に言えば、将来の本命が何になるのかは、誰も確信がないというのが本音だ。だから体力のあるメーカーはあらゆる可能性に策を打っているのだ。

 ひとつ言えることは、ユーザーである僕らは、多くの選択肢の中から好みの動力源を選べるという恵まれた環境にいるということだ。自らの生活スタイルと照らし合わせて、好きなクルマを選べるという夢のような時代に生きていることは確かなようだ。

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【木下隆之のクルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は隔週金曜日。

【プロフィル】木下隆之(きのした・たかゆき)

木下隆之(きのした・たかゆき)レーシングドライバー 自動車評論家
ブランドアドバイザー ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。